
Leica SL3やQ3に搭載された最先端のイメージプロセッサー「Maestro IV」では
画像処理の高速化や低ノイズに寄与し、Leica独自の色再現性を実現しています。
そして、Maestro IVでは新たな機能として撮影者の好みに応じて変更可能なカラープリセット「Leica Looks」が使用できるようになりました。
この連載ではそれぞれ独自のカラールックを持つLeica Looksに焦点を当て、その魅力に迫っていきます。どうぞお楽しみください!
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ライカでアーバンな雰囲気の写真を撮影したいと思い、今回Leica LooksのLeica Blueをチョイスして撮影に出かけました。
ライカ公式サイトの説明では、「”Leica Blue” は、歴史あるサイアノタイプ(青写真)印刷技法を彷彿させるブルーのトーンが特徴です。
アーティスティックかつスタイリッシュな表現で写真にユニークな個性を与えます。」と記載されています。
はたしてどのようなルックなのか、見ていきましょう。
サイアノタイプとは、青写真と呼ばれるもので紫外線に反応する塗料を塗った用紙を感光させ像を定着させる技術です。
鮮やかな青色が特徴的な写真技法ですが、この”Leica Blue”では青の主調がそこまで強くなくメトロポリタンな雰囲気にはピッタリ。
公式の記載の通りスタイリッシュな表現になると感じ、コントラストもしっかりとあって重厚感を感じられる美しい描写です。
撮影機材にチョイスしたのは、軽量コンパクトで携帯性に優れたLeica Q3です。
Q3は初代のQから継続して「ズミルックスf1.7/28mm ASPH.」を搭載し、ズミルックスならではの美しいボケとピント面のシャープさをコンパクトながらも楽しむことができます。
レンズ鏡筒を回転させればマクロモードに切り替えが可能で、通常は30cmまで近づけるところマクロ設定時には17cmまで被写体に寄ることができます。
写真のように革のシートや車の内装も、Leica Blueと相まって英国車の高級感溢れる質感をしっかりと表現できています。
また、Q3から背面モニターがチルト式になったことで、ローアングルからの撮影も容易になったところも特徴です。
チルト式になったことで、構図の幅も大きく広がりさまざまな撮影シーンに対応できるカメラとして着実に地位を高めていっていると思います。
6030万画素から写し出される写真は、低照度環境でも描写性能が落ちずにディテールを残す高感度性能には驚きました。
そしてM型ライカのように、撮影の手順を一つ一つ追っていくスタイルとは異なりカメラを初めて使う方でも簡単に撮影することができ、AFを存分に活用することで切り取りたい瞬間を逃すことなく、撮影に集中できるのもQ3の魅力的な要素です。
写真のように首都高の荒れた路面でも、光学式手ブレ補正を搭載しているので多少のスローシャッター撮影は問題ないと感じました。
また夜の都心の風景とLeica Blueの組み合わせは、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせる写りをします。
Leica Blueを使用してみた所感について。
車やビル、高速道路等の人工的に造られた被写体も繊細な印象が感じられ、スタイリッシュで爽やかな仕上がりになるため、通常のモノクロでは物足りない、少し気分を変えて写真を楽しみたい方などにオススメです。
今回使用したLeica Blueは都会の幻想的で、冷たい印象の建築物を程よく強調してくれているように感じました。
Leica Q3は、まさしく現代的なコンパクトデジタルカメラの一つと言えましょう。
M型ライカを持って旅に出かけるとなると、色々とレンズを持ち歩きたくなりますが、Q3は単焦点レンズが一体になっているため、潔くカメラ一台で出かけられます。
そういった意味で、このカメラだけあれば風景からポートレート、テーブルフォト、料理写真など一台でいろんな被写体をカバーできてしまう万能なカメラです。
またLeica好きの方は車好きの方が多いように、クラフトマンシップとしてのモノづくりという点で親和性も非常に高いと同時に感じました。
What is Leica Looks? 次回もお楽しみに