2022年11月18日に発売開始された『Kenko ホワイトミスト No.1』。
既に同社から発売されている「ブラックミスト」と対になる商品名に、胸を躍らせた方も多いのではないでしょうか。
今回「ホワイトミスト No.1」を借りる機会がありましたので、紅葉を撮りに出かけてみました。
使用機材は『Leica SL2-S』と『バリオ・エルマリート SL24-70mm F2.8 ASPH.』の組み合わせです。
まず赴いた先は御岳渓谷。
四季折々の季節を感じる事ができる自然豊かな場所です。
晴天にも恵まれ、紅く染まった紅葉が広がる光景は圧巻のひとこと。
「ホワイトミスト No.1」の効果もあり、艶やかに、そして落ち着いた色彩を写し出すことができました。
逆光にレンズを向けるとこの通り
淡くも美しいベールに包まれたかのように、上品な雰囲気を写真にまとわせます。
オールドレンズのフレアを想像させますが、それはとても上品な質感。
普段の景観も十分に綺麗な場所ですが、より一層神秘的な空間になります。
後日、場所を青梅線石神前駅に移して撮り歩きをしました。
駅に隣接する石神社の境内にある大イチョウは青梅市の天然記念物。
樹齢はどのくらいなのか分かりませんでしたが、かなりの老木に見えます。
若い樹木には持ち得ない、圧倒的な迫力がそこにはありました。
二股に分かれているあたりには南天が着生しており、自然の力強さやたくましさをまざまざと見せつけられます。
石神社からしばらく歩くと一面に紅葉が広がる場所があります。
紅、黄、緑。
自然の色が集まり混ざりあうこの場所は、さながら絵画の世界に足を踏み入れたかのよう。
紅色のグラデーションが本当に美しい。
斜光が強い時期ですが「ホワイトミスト No.1」はほんのりと優しい描写を加えてくれます。
春夏秋冬、各季節で連想される色がありますが、ここにあるのは紛れもなく「秋色」でした。
その後、夕暮れ時を狙って奥多摩湖まで移動しました。
道中は厚い雲が空を覆い、今にも泣きだしそうな模様。
ですが日の入前に差し込んでくれた暖かな陽射しは、目の前に美麗とも呼べる景色を演出してくれました。
「自然は神様がつくった芸術品」とは聞きますが、それも大自然を目の前にすると説得力があります。
写真を撮っている時にたまに訪れてくれる気紛れな天候。
それは時に控え目な奇跡を見せてくれるようです。
奥多摩湖を眺める事のできる見晴台に登って撮影終了としました。
淡い色調やオールドレンズを使用したような優しい描写が際立つ『Kenko ホワイトミスト No.1』。
決して主張しすぎることはなく、絶妙な効果を撮った写真にもたらしてくれます。
しっとりと劇的に写し出される写真には、どこか懐かしくもありノスタルジックな記憶すらも呼び起されるようでした。
写真を撮ることが愉しくなり、常用したくなるフィルターです。