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【Leica】WITHIN120K -Noctilux M50mmF0.95 編-
2025年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは12周年を迎えました。
今年の連載はテーマ『Journey』と『“12”周年』にちなみ、マップカメラのある新宿から半径120キロ圏内での撮影旅行をスタッフが計画。旅の供にカメラが選ばれるようになってから100年となる今年、「旅」を通してカメラの楽しさ、ライカの面白さをお伝えするべく、マップカメラスタッフ12名が旅に出ました。その名も「WITHIN 120K」
今回は二人、2台体制で同じ所へ小旅行。
過去に「視点A・B」というブログを投稿しました。同じ場所、同じ時間に居たとしてもカメラが違えば、視点が違えば全く異なる写真が撮れる面白さをご紹介したものです。またその反対に、全く意識していないにも関わらずほぼ同じ写真が撮れることもあるのです。結果的には似てるか似ていないかの二択しかありませんが、見比べてみるととても面白いものです。
私は「Leica M10-P」に「Noktilux M50mm F0.95 ASPH.」という重量級かつ誰もが一度は憧れる贅沢なセットアップ。
同行者は「M11-P」に「Summilux M35mm F1.4 2nd」で撮影。こちらも最新ボディにライカが誇る銘玉というファン垂涎の組み合わせ。
撮影していてどちらもお互いのレンズが羨ましくなる程でした。奇しくも最短1mコンビ、今回は50mm側をご覧ください。
久しぶりに持ち出すノクティルックスはマウントしてみると意外や意外ホールド感も良く、念の為と思って用意していたウッドグリップも味方することで重さは途端に気にならなくなりました。小柄なMボディとのバランスこそ少し悪いかもしれませんが、一眼レフカメラと思えばなんということはありません。1枚目から撮影に没入することができました。
久しぶりに行き先を決めての旅行。
第1目的は高崎駅からほど近いレトロ喫茶。第2、第3目的は「長野堰用水円筒分水」と「少林山達磨寺」という忙しい趣味趣向で挑みます。向かう最中の新幹線ではガイドマップや観光協会のHPなどを眺め「着いたらこのルートで巡ろう」と話していると普段無計画な性格ながらこういうのも悪くないと思いました。
天気予報の気温は10度を超えていたのでやや軽装で来たのが間違い。強い風が吹きすさび、これこそが「上州のからっ風」か「赤城おろし」か。
その土地ならではの気象の洗礼は大歓迎、大好きです。寒さに顔をゆがませながらも元の顔は笑顔。本当ですよ。
忙しなく揺れる街路樹を横目に最初の目的地へ逃げるように転がり込みます。
一息ついて撮影してみれば正午の日差しも味方してこの雰囲気です。
落ち着くメニューとは裏腹に撮影への意気込みは増すばかり。
0.95という大口径ならではのボケ感と、現代レンズらしいピントの立ち上がりが心地よく。
少し休んでから寒空へ足を踏み出します。
次の目的地は駅の東側にある「長野堰用水円筒分水」へ。
既に午後なので日が傾ききらぬうちに日差しと水面の景色を見ておきたかったのです。
マニアックな被写体だといわれてしまいましたが、人が快適に暮らすために水を治める技術はいつ見ても面白いものです。
いざこうして眺めると圧倒的な水量に圧倒されますが、人工物と水流との対比が見るものを飽きさせません。
観光ガイドにも掲載されていたのでこの土地ならではの技術がここにはあるのです。
いい西日と反射のコントラストを楽しむことができました。
逆光を無理やり開放で撮影したためフレアやゴースト、さらには盛大にフリンジが発生しますが、これもこのレンズならではの味わい。
ここから最後の目的地である「少林山達磨寺」へ向かいます。
冬の短い日に翻弄される日帰り旅行。日の傾き具合を気を付けながら、山の稜線の高さも意識しながらの行動が難しくもあり楽しくもあり。
メカシャッターのみのM10-Pにとってこの大口径はかなりのハンデ。
どうしてもオーバー気味になってしまうところをそのままシャッターを切ります。
もともとアンダー気味の写真が好きですが、たまにはこういった撮り方も趣があってよいもの。とはいえM11からの電子シャッターもうらやましくなります。
高崎駅に戻り群馬八幡駅へ。
とても味のある路線。沈みかけた太陽がいい影を落としていたのでついつい止まる足。
少林山達磨寺への道中はだるまのモチーフがたくさん。
街灯、看板、だるまそのものまで。なんでもここから日本の達磨が始まったんだとか。
どれもこれもいい表情。
到着するころにはすっかり日暮れ。
暗いながらもノクティルックスの本領を発揮。
日中こそオーバーに少し悩まされた組み合わせですが、薄暗い環境であやしく際立つ薄い被写界深度がシャッターを誘います。
ライブビューでじっくり狙うもよし、レンジファインダーと写った写真のギャップを楽しむもよし。
群馬八幡駅から高崎へ戻り、市街の店で夕食を済ませてから帰路につきます。
新幹線を使えば都内からのアクセスも抜群の高崎。今度は一泊して満喫しようと思いました。
今回使用したカメラは最初にもお話ししたように重量級。
ずっと首からストラップで下げているには少し辛いと予想してカメラバッグ「ワンダード プロヴォーグ31」を背負って行きました。
日帰りだったので少し中身がスカスカであったものの、帰りにはお土産を詰め込んで8割くらいの入り具合。
普段であれば一泊以上の旅行の際に持ち出すリュックですが、中距離日帰り旅行でも大活躍。
サイズ違い、色違いも魅力的なカメラリュックです。ぜひご検討ください。
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現在マップカメラでは「Leica Boutique MapCamera Shinjuku」12周年を記念してフォトコンテストを実施しています。
ライカ製品以外のカメラで撮影した写真でも参加可能!ぜひみなさまの「旅」の写真をお待ちしております。