
【FUJIFILM】日本だけじゃない。世界中のカメラ好きが選ぶ“今”トレンドのミラーレスカメラはX-E5。
FUJIFILMフロアでご案内をしていると、毎日たくさんの方がX-E5をお求めになられます。
日本国内のお客様みならず、アメリカやヨーロッパ、アジアの方といった海外のお客様からも頻繁に問い合わせがあり、非常に人気のカメラだと感じます。
その人気の秘密は何なのでしょう?
筆者は長いこと考えておりましたが、結局いてもたってもいられなくなり自分で使ってみることにいたしました。
さて、筆者は普段ファインダーがレンズの光軸上にある「一眼レフスタイル」のカメラを使っています。
レンジファインダースタイルのボディは何度か使用したことがありますが、あまり慣れているとは言えません。
しかしX-E5を握りこんでみると、思ったよりも自然にファインダーが体の正面に来ました。
そのまま何の迷いもなくスッと覗き込めたので、あまり身構えず扱えそうだと感じます。
何を撮ろうかしらと考えながら外に出てみると、町はすっかり日が暮れて薄暗くなっていました。

新しいカメラを手にするたびに赴く、いわば「お決まりのルート」にて。
「まずは一枚」とカメラを構えると、ファインダーが見やすいことに気付きました。
0.39型の有機ELファインダーは決して大きくはないものの、表示の遅延に悩まされることなくスムーズに表示してくれます。
写真を見てもわかる通り、夜の一歩手前という環境にもかかわらずこのレスポンス。一発目からなかなかの好印象です。

トッププレートに配されたフィルムシミュレーションダイヤルを回し、ノスタルジックネガからREALA ACEに切り替えてみました。
個人的にFUJIFILM三種の神器だと思っている「クラシックネガ・ノスタルジックネガ・ETERNA/シネマ」の3種を押しのけてまでフィルムシミュレーションダイヤルに登録されていることに少しばかり疑問を感じていましたが、いざ使ってみて納得しました。
ごく自然なカラーバランスの中に涼やかな透明感が同居しており、汎用的に使えそうな上魅力的なのです。
なるほど、これは良い。このためだけに新世代のFUJIFILM機を選んでも良いほどに。

引き続きREALA ACEの良さを味わいたかったのですが、「この色はもっと明るい環境の方が合うかもしれない」と思い立ち、次の機会に回す事にしました。
もう一度ノスタルジックネガに戻して撮影を続行していきます。
このカットはホワイトバランスを変えて、あえて青みを強調して撮影したのですが、それでも葉の色は本物に近い再現でした。
“意図的に崩しているのに整っている”というすごさ。
毎度のことながら、FUJIFILMのカラーサイエンスには舌を巻きます。
そしてそして、約4020万画素をほこるX-Trans CMOS 5 HRセンサーに負けていないレンズの描写力にも触れるべきでしょう。
絞り解放で撮影したのですが、なかなかどうして周辺までしゃっきりと写っています。
少しばかりフリンジが出てはいますが、かなり大きく拡大してやっと見えるレベル。言及するのが野暮というものです。
お許しください、それぐらいしないと何も見つからないレンズなのです。

続いてレンズの実力を見ていきます。
白いボディというものはかなり難しい被写体で、質の低いレンズでは途端にのっぺりとしてしまうものですが、ちゃんと情報を乗せてくれました。
それにプラスチックのレンズカバーやメッキパーツそれぞれの質感をしっかり描き分けています。
そして気になるボケ味に関して。
これもなかなか良いと感じます。口径食は出ますが、ビルの玉ボケを見る限りかなり頑張ってくれているのではないでしょうか。
とりわけ画面右の赤い建物に連なった玉ボケは、形がそろっていて個人的にかなり気に入りました。
この小さな鏡筒に11枚の絞り羽を組み込んだ技術者の方には頭が下がります。

次は都市部でよく見かけるこの被写体。
今回はわざと暗く撮り、画像編集後のノイズを確認してみました。
(掲載している写真は編集後のものです)
なぜそんなことをしたのか。
高画素機は後編集でノイズが乗りやすいという弱点があるからです。
色を濃くしたり明るくしたりといった調整をすると、特に暗部ノイズが目立ってしまうのです(もちろん低画素機でもノイズは乗りますが、程度に違いがあります)。
このカットでは撮影後にPhotoshopで露出を大きく持ち上げてみましたが、いかがでしょうか。
ノイズというのはボケの部分にこそ乗るものですが、ほぼ気にならないと感じます。

LEDの強い光を浴び、生垣の中で懸命に葉を広げる植物たち。
コンクリートに囲まれた生垣は狭い上に、夜でも疑似的な光に照らされる、とても過酷な環境です。
名も知らぬそれらに「何て大変なんだろう」と少しばかりの同情を抱きながら、せめて良い色で残したいと設定を変えていきます。
一通りのフィルムシミュレーションを試した結果、結局ノスタルジックネガに戻ってきました。
こういった設定をする時間も至福の時に変えてくれるのが本モデルの良いところ。
アルミ切削の軍艦部は見ても触っても気分が高揚します。
特にX-E5のロゴ右側、緩やかにえぐれたカーブとその上ののぞき窓のデザインがたまりません。
無機質なのにどことなく生物的で、ついついそこばかり見てしまいます。
このダイヤルに“FS1~3”のポジションを用意したFUJIFILMに拍手を送りたい。
自分で育てた特別な色を選ぶとき、最高のデザインに彩られたダイヤルで選択できるのですから。

いよいよ本格的な夜がやってきました。ノスタルジックネガと夜空はよく合います。
X-Trans CMOS 5 HRではISO:125を常用感度として使えるので、空の写真の様にグラデーションを綺麗に出したい時に便利です。
ノイズが少ないことはもちろん、拡張感度の様にダイナミックレンジを落とすことなく“普通”に使える。その嬉しさたるや・・・!
ちなみに夜道を照らす外灯にありがたさを感じる反面、写真的にはゴースト発生器となってしまうため複雑な気持ちでしたが・・・。
あまり気にしなくても良いかもしれません。(言われなければわからないくらいの小さなゴーストが右上にあります)
空を仰ぎながらの撮影でもグリップに不安はなく、むしろコンパクトな筐体のおかげで撮影しやすかったこともお伝えします。

ラストカットは大幅に露出を絞って彼岸花を狙ってみました。
子供のころは近所のあぜ道に群生していたので、あまりありがたさを感じなかった彼岸花。
大人になって緑の少ない都市部に引っ越してからは見かけるたびに撮ってしまいます。
この時は花が強い風に揺られており、直ぐに構図が変わってしまうことからほぼ置きピンで撮影しました。
手を伸ばした不安定な姿勢だったので、ボディ内手振れ補正に助けられながらなんとか形にした1枚。
X-Eシリーズで初めて搭載されたボディ内手振れ補正(センサーシフト方式5軸補正)のありがたみをひしひしと感じました。
そのお洒落なスタイルから、X-E5はお手軽お散歩カメラ的なポジションだと思っていた筆者。
実際にハンズオンすると、カメラとしての完成度の高さに感銘を受けました。
僅かな時間の撮影でもその良さを沢山感じられたので、実際に自分の愛機として迎え入れればもっと好きになると思います。
今のカメラらしい多機能と、替えの効かない美しいデザインを高次元に融合させたキメの一台。
連日沢山のお客様にお求め頂く理由が分かった気がしました。
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