
【HASSELBLAD】中判デジタルとズームレンズ1本で歩く。日常の景色が色濃く変わる、贅沢なスナップ。
爽快な空模様と出かけやすい天気が多くなり、カメラを持って散歩や旅行に行かれる方も増えているのではないでしょうか。
カメラを始めてから散歩が趣味の一つになった私としては、一日に20,000歩行くこともしばしば。
そんな今回、散歩のお供に選んだのが「HASSELBLAD X2D 100C」と「HASSELBLAD XCD 35-100㎜ F2.8-4 E」です。

昨年8月に後継機である「HASSELBLAD X2D II 100C」が発売され、もうすぐ1年になろうとしています。
現在もなお多くの方が求める人気の一台ですが、その反面、今回紹介する「X2D 100C」も改めて評価されているように感じています。
X2D II 100CはAFや手ブレ補正などの性能が向上し、さらに機動力が高くなりました。しかし、今回のように「時間をかけて写真と向き合い、撮影そのものを楽しむスナップ」においては、X2D 100Cが持つポテンシャルは今でも十分すぎるほどです。
また中古市場での価格が落ち着いてきたため、「ボディの予算を抑えられた分、もう一本お気に入りのレンズを追加する…」なんて贅沢な選択も可能になります。


最大15ストップのダイナミックレンジと16bitの豊かな色深度。このスペックの恩恵は、撮影を進めるほどに、ひしひしと肌で感じられました。
白飛びしやすい繊細な雲の表情や、強烈な太陽光が当たるハイライト部から深いシャドー部に佇む葉っぱの色の違いまで、破綻することなくはっきりと描き出してくれるのです。
また緑の多い自然の風景を前にしたときこそ、ハッセルブラッドの代名詞である「ナチュラルカラーソリューション(HNCS)」の真価を体感できます。
派手に作り込まれた色ではなく、人間の目が捉えた通りの瑞々しい緑。それはまるで、記憶の中にある美しい景色をそのまま写し出したかのような、不思議な錯覚さえ覚える感覚です。

暖かい季節を感じさせるモンシロチョウが、熱心に花の蜜を吸っていました。
とっさのことでこれ以上近づくことも出来ずにシャッターを切ったのをよく覚えています。

撮影後に画面で大きくクロップしてみて、想像を超える鮮明さで写っていた事に驚きました。
近づけなかったはずのモンシロチョウの、羽に広がる繊細なグラデーションや細かな鱗粉の気配。そして、花びらの一枚一枚の質感までが、まるで近づいて撮影したのかと思う程繊細に描写されていたのです。
1億画素の高精細な描写力を再確認する事となりました。


こうして一瞬の出会いを高いクオリティで残せるのは、ボディの性能はもちろん、今回組み合わせた XCD 3.5-4.5/35-100mm の存在がとても大きいです。
フルサイズ換算で約28mmから80mm相当という、広角から中望遠に対応。
遠くの景色を広々と切り取りたいときも、今回のように小さな生き物に視線を向けたいときも、この一本で素早く切り取ることができます。

またただズームが出来て便利というわけではなく、ハッセルブラッドの技術力により広角端での最大絞り値はf/2.8と驚くほど明るく撮影を実現しています。
そのため目線を誘導するような浅い被写界深度の浅い表現も自由自在。
被写体をハッと息をのむほど立体的に浮き上がらせ、背景は空気の中に溶けていくように滑らかにボケていきます。

後継機である「X2D II 100C」が登場した今、あえて前モデルの「X2D 100C」を選ぶこと。
それは決して妥協ではなく、むしろ「自分の撮影スタイルを見つめ直した結果の、とても贅沢な選択」だと私は感じています。目の前の自然や光とじっくり対話しながらシャッターを切るスナップにおいて、このカメラが紡ぎ出す画質と撮影体験は、すでに私の感性を満たすのに十分すぎるほどの性能を持っているからです。
爽快な風が吹き抜けるこれからの季節、選び抜いた相棒と一緒に、少し遠くまで足を延ばしてみませんか。
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