
Y2Kや平成レトロといった言葉を耳にしたことはございますか。
今、これらのカルチャーが、若年層中心に流行っています。
Y2Kとは、year2000を略した言葉で、ファッションやカルチャーのことを指します。
ピンクやイエローといったビタミンカラーの洋服だったり、短めの丈のTシャツなどのスポーティーカジュアルなコーディネートをしている若年層を街中でよく見かけます。
平成レトロは主に平成初期の文化全体を指します。
キーホルダー型のペット育成ゲームや純喫茶のブームが起こったり、昔流行った楽曲をアーティストがカバーするなど、身近でも変化を感じます。

今、Z世代を中心に1990年代後半〜2000年代初頭の文化に注目が集まっています。
その中でも、昔のコンデジが若い世代中心に人気を博しており、店頭でも多くお問い合わせを受けます。
その人気の理由は、画質の粗さ。



これらの写真は、Kodakの「CHARMERA キーチェーン デジタルカメラ」で撮影した写真です。
画素数は160万画素。
最新のiPhoneの4,800万画素と比べると、30分の1の画素数です。
立体感が無くのっぺりしていて全体的にざらざらしているけれども、そのノスタルジックさが趣を感じます。
この「CHARMERA キーチェーン デジタルカメラ」は1987年に発売されたKodak初の使い捨てカメラ、「KODAK Fling」 にインスパイアされたデザインで、ファッションアイテムとしても目を惹きます。
ブラインドボックスで提供され開封するまで中身がわからないのも、このカメラを買う楽しみの一つ。
ポップでかわいい通常のラインナップと、メタリックなY2K感がエモいMillennium Editionがあります。
薄型でズームができるコンデジは一昔前は各社販売していましたが、この頃は見かけることがほとんどありません。
高倍率もしくは薄型をうたっているコンデジの多くは、1/2.3型程度の大きさのセンサーを使用しています。
この大きさは、最近のスマートフォンに搭載されているセンサーと同等、もしくは小型になります。
コンパクトなボディで高倍率ズームができるのは便利ですが、広角での画質は今やスマホの方が精細感があります。



これらの写真は1/2.3型センサー搭載モデル、DSC-W830で撮影した写真です。
スマホで撮影した写真と比べても、少し線が柔らかい印象で、ざらついた感じがレトロさを演出しています。
この時も喫茶店に行って撮影をしましたが、そういったレトロなスポットでは、よりこの画質がしっくりきます。
懐かしい、レトロさ、エモさを演出させる写真の要素の一つが、収差。
最新のレンズでは収差が発生しにくくなっているので、あまり目にする機会は多くはありません。
ですが、昔に作られたレンズ、オールドレンズを使用すれば、最新の一眼カメラでもレトロな描写が楽しめます。
収差には様々な種類があり、レンズによって全く違う表現になります。

例えばこんな風に、発光しているかのように、輪郭が柔らかくぼかすことができるレンズ。
ふんわりした描写が、幻想的な雰囲気をかもしだします。

特徴的な玉ボケもオールドレンズならではです。
キラキラと写真を彩ってくれています。
昨今ではあまり迎合されない解像感不足や収差も、ここまでしっかり出ると表現の一つとして成立しています。
ケースによって、したい表現によって、良し悪しはもちろんあるでしょう。
しかし、写りすぎても面白くないよね、という世の中の流行もこうして写真を見てみると一理あると感じます。

日本で初めて販売されたデジタルカメラは約35万画素しかありませんでした。
今や手持ちで約6600万画素の撮影ができる時代になり、写真は私たちが目で見ているものに近づいています。
技術の進歩は素晴らしいことに間違いありませんが、だからこそ今はない懐かしさを感じる表現が注目を浴びています。
たまにはコンデジやオールドレンズでノスタルジックな気分に浸ってはいかがでしょうか。



