【Nikon】アジフライと小さな旅 -勝浦編-
1週間を規則正しく生活していると、自然と足が遠のいてしまう町があります。
筆者の場合、水曜日に撮影に出掛けることが多いのですが、今回紹介する千葉県勝浦市はお店の大半が水曜休みになっているため、これまで訪れる機会を逸していました。
9月に入り少し遅めの夏休みを頂いた筆者。久しぶりに水曜日以外に時間がとれたので、この時ばかりと思い勝浦へ向かう事にしました。
南房総国定公園にもなっている勝浦は、毎朝11時まで(水曜日以外)開催されている朝市と、雛祭りの時期に神社の階段を雛人形で埋め尽くす「かつうらビッグひな祭り」が有名です。
雛祭りの時期ではないですが、せめて朝市はと思い少し早めの電車に乗り房総半島の外側を南下します。
しかし、そこでアクシデントが発生。都心に向かう列車とは反対方向だったとは言え朝の通勤時間帯。遅延で接続列車に乗り遅れてしまい、朝市の開催時間に間に合わなくなってしまったのです。
つくづく縁の無い町だと、諦めながら勝浦駅を降りると目の前には立派な雛人形が迎えてくれました。
私の地元でも雛祭りの時期になると町中に人形を飾っていますが、雛人形を長く飾っているとあまり良くないとされているためか、翌日には早々に片付けられてしまいます。まさか、9月に人形を拝めるとは。嬉しい誤算でした。
朝市が終わった町はとても静かでした。時刻は丁度お昼時。まずは食事処を探しに、漁港を目指すことにしました。
町では所々に「タンタン麺」ののぼりを見かけます。そう、勝浦はご当地グルメとしてタンタン麺が有名なのです。
しかし、私のこの夏のテーマはアジフライ。タンタン麺に未練を残しつつも、漁港前で見つけた魚仲買人直営店に入店しました。
勝浦漁港はカツオの水揚げで全国1位を記録するなど、たくさんの魚が水揚げされています。
入ったお店はそんな魚をふんだんに使っているため、アジフライだけのメニューは無くミックスフライ定食が用意されていました。
運ばれてきたフライは、アジ・マンダイ・シイラ・牡蠣の4種。
マンダイって何?と思いスマホで検索してみるとマンボウのような形をした赤いヒレの深海魚がヒット。しかし水族館でよく見るマンボウの仲間ではないようです。味が鯛に近いことからマンボウと鯛にあやかってマンダイと呼ばれているようです。定番のアジや牡蠣はもちろんですが、マンダイもシイラも美味しく戴けました。知らなかった魚の美味しさを発見するのは漁港巡りの醍醐味です。
漁師町の定食はボリュームが凄すぎました。少し町を散策して消化を促します。
漁港から岬の方へ進むと高台になっており、海が一望できる場所に到達。
入江の向う岸には昨年訪れた海中展望塔を見ることができました。
小さな岩が顔を出している部分に鳥居のような物が見えたので、もう少し海に近づいて見るものの、70mmのレンズではその様子を見ることができません。そこでDXクロップを用いて105mm相当まで拡大すると、白い鳥居の姿を確認することができました。画素数に余裕のあるモデルはこのような時、本当に便利です。
本来は赤い鳥居だったようですが、鳥の生活によって白くなったようです。鳥居だけに…。
周りには百合に似た花が多く咲いていました。
先ほどは焦点距離不足に泣かされた「NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S」ですが、開放F値2.8で、ズーム全域で38cmまで近接できる本レンズは便利。ボケも大きく綺麗に捉えてくれます。
さらに高台を散策していると灯台が見えてきました。
大正6年に建てられたという勝浦灯台。
現存の灯台は昭和58年に建て替えられたタイル貼り灯台ですが、歴代の歴史も感じさせる味のある灯台です。
再び町の方へ戻ってきました。
通り沿いには魚網を干す家が数軒あり、改めてこの町が漁業で賑わっている町なのだと感じさせます。
最後にビッグひな祭りの会場になっている遠見岬神社にも参拝。雛壇になる石段を見てきました。
お祭りの時はこの石段が雛人形で埋め尽くされるそうです。ビッグと称されるのがよく分かりました。
境内で売られていたおみくじは魚型の「勝男みくじ」。ここでも魚の町アピールを感じます。
鰹を勝男と呼ぶことで、縁起が良さそうにも感じました。
朝は不運が重なり予定が大きく狂いましたが、お参りしたことで運気が戻ってくれればと願いながら家路につきました。