【SONY】ジンバル動画の世界
SONY α7III ILCE-7M3+SEL55F18Z
本日ご紹介するMapTimesで使用した機材はこちら
SONY (ソニー) α7III ボディ ILCE-7M3
SONY (ソニー) E 10-18mm F4 OSS SEL1018
SONY (ソニー) Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z
FeiyuTech a1000
Kenko (ケンコー) PRO1D プロND8 62mm
K&F Concept (ケーアンドエフ・コンセプト) NANO-X バリアブルNDフィルター 49mm KF-49NDX2-32
記録設定は
(XAVC S 4K) 3840 x 2160(30p, 100M)※書き出しは24p
ピクチャープロファイル10です。
さて、今回は動画に関してお話ししようと思います。
是非お付き合いください。
題して、プロでなくても雰囲気のある動画は撮れるのか。
まずは結果からご覧ください。
↓↓結果作例↓↓
素人でもジンバルを使って、雰囲気のある動画を比較的お手軽に撮影することができます。もちろん何も考えずに、という訳にはいきませんが、数年前に比べると驚くくらい気軽に撮れるようになったと実感しています。
AFの高速化、安定化、機材の小型軽量化、低価格化といった要素は運用していくにあたってほとんどの場合ポジティブな要素です。
昨今のデジタルカメラには4K撮影や秒間60コマ、120コマなどのハイフレームレート撮影機能が当たり前のように搭載されています。充実した機能を活かして「良い雰囲気で」記録に残したいと私は思います。
詳細な設定や機材選定とその理由、編集環境などお話ししたいことは尽きないのですが、今回は撮影時の運用にフォーカスしてお話ししようと思います。
まずは楽しく気軽に始めてみることから、です。
先に素人でも、と言いましたが全くジンバルに触った事がないという訳ではありません。
プロの指導を受けたわけでもなく、特別な訓練をしたわけでもない、いわゆるホビーユーザーを指しています。
私の場合、スピード感(画角選択),構図,ブレの無さを軸に映像素材を集めていく場合が多いです。
まずはブレを抑えることです。ジンバルを使用するならブレのない滑らかな映像の方が雰囲気も出ますし満足度も高いです。
ホビーユーザーにとって自己の満足度というのは非常に重要なファクターです。
前置きが長くなりました。順を追って作例をカット毎に見ていきましょう。
冒頭〜3秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL55F18Z
SONY α7III ILCE-7M3の場合4K30Pで撮影すると画角が約1.2倍にクロップされます。ここではおよそ66mmに相当します。
50mm付近の焦点距離を使用するとシネマライクな画になりやすいので積極的に取り入れるようにしています。
程よく立体感も表現でき、被写体にフォーカスさせやすく自然な視野範囲で雰囲気を出しやすいです。ここではジンバルを吊り下げるように持ち、カメラが左右上下に振られないようにロックモードを使用しています。
構図とボケ量を確認してできるだけブレを抑えるように被写体と並んで歩きます。
歩き方のイメージは忍び足の要領とでもいいましょうか、基本的にはその姿勢で撮影に臨みます。
基本中の基本歩行姿勢であり、少し辛い時もありますが膠着するか頑張るかが映像の質に直結します。
被写体にはどれくらいのスピードで歩いて欲しいか伝えて、リハーサルをしてから録画を開始すると良いでしょう。
3〜6秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL55F18Z
今では当然のように搭載されているボディ側の手ブレ補正機構はとても優秀で、立ち止まっている場合なら手持ちでも実用レベルです。
14〜20秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+ SEL55F18Z
歩かずにロックモード、両手でジンバルを持ち横に伸ばして右から左にスライドしています。立ったままですが、膝を少し曲げて安定感を出します。
思いの外上下動を出さないようにスライドするのは難しいですし、被写体や背景の建物が動くわけではないので余計にブレが目立ちやすくなります。このカットのではお店の窓ガラスに自身が写り込まないよう注意が必要でした。
カメラワークに気を取られていると意外と気づかないものです。
SONY α7III ILCE-7M3+ SEL1018F4
21〜28秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL1018F4
上から下にチルトしながら歩いています。体をひねった体勢(下半身は進行方向、上半身は撮影方向)での撮影になるので少し複雑な撮影方法です。最終的に(水平位置に来た時)どう構図に収めるのかを先に決めてからスタート位置に戻り録画を開始しました。
最初から録画を開始し始めても良いのですが、そういう場合は大抵全ての動作が中途半端になり撮り直しになるので、リハーサルは大切です。複合的な動きがあるとプロのような映像になる気がしています。
28〜32秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL1018F4
再びジンバルを吊るす様に持ちます。広角レンズを使用することで、普段の速度で歩いていても景色の流れが早くなるのでスピード感を表現することができます。加えて地面と近づけることでよりスピード感を演出できます。
人目を気にしてブレを抑えるのに(忍び足姿勢での歩行)集中できなくなることもあります。
43〜47秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL1018F4
後ろ歩きをしながらカメラを上から下にチルトしました。左右に振れないように気をつけます。チルト以外ロックできるジンバルであれば活用すると良いでしょう。今回使用したFeiyuTech a1000にはそのようなロックモードは搭載れておりません。
このカメラワークを使用するのが目的になってしまって、何を見せたいのかが不明確になってしまったと見返していて感じました。
楽しみながら日々勉強です。
53〜1:06秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL1018F4
被写体の周りを回り込みながらカメラが被写体に向くようにパンしました。速度をなるべく一定に保ち、上下動を抑えることで浮遊感のある滑らかな映像にすることができます。
このカットは1カットでスムースに撮れるぞ、という意気込みをお伝えしようと撮影しました。機材の小型軽量化はこういった時にとても恩恵を感じます。
1:07〜1:09秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL55F18Z
ボケのある画はやはり雰囲気があります。
画角が狭くなればなるほどブレが目立ちやすくなるので気をつけたいポイントです。とはいってもジンバルが水平垂直を維持してくれるのは本当に心強いです。
1:17〜1:24秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL1018F4
回り込みながらカメラをパンしつつ、チルト動作を加えています。かなり複雑な動きになっています。手首、肘、肩、胴、と全身を連動させるイメージでして撮影しました。
冒頭、気軽にと言ってたのに、気づけば一生懸命撮影している私がいました。楽しいからこそです。
1:28〜1:42秒あたり
SONY α7III ILCE-7M3+SEL55F18Z
最後はミニ三脚を使用したカットです。構図を固定することができるので比較的撮影自体は容易になります。
ジンバルの取っ手下部に設けられている三脚穴にそのままミニ三脚をつけて立てています。ここでもジンバルの水平維持がこころ強いです。
ピント位置はMFにて固定。AF動作による微かな乱れをなくすことで落ち着いた映像を維持することができます。
また徐々に被写体がボケていく様子が、映像の終わりを告げるという意味でも良いと考えました。
できるだけ簡潔な解説に努めました。意外とできそう、挑戦してみたいと感じていただけたら幸いです。
最後までお付き合いありがとうございました。