絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:250
キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R」に、KIPONのマウントアダプター「ライカMレンズ/キヤノンRFボディ用 L/M-EOS R」を取り付け、装着したのは「Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VM」というレンズ。オリジナルのL39マウントで存在していたノクトンを彷彿とさせるクラシカルな外装とは裏腹に、光学系に非球面レンズを採用しているダブルガウスタイプの標準レンズです。
季節は梅雨。曇天ばかりでテンションも下がりますが、フラットな光線状態をねらう良い機会でもあります。EOS RとVMレンズの組み合わせはどのような写真表現をしてくれるのか、街を歩きながら様々な被写体を収めて参りました。
絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:250
絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:250
係留されているクルーザーを絞り開放で撮影したカット。少し柔らかさを感じる収差の中にしっかりとしたピント面を感じる繊細な描写です。
絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:250
絞り:F1.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:250
周辺減光は四隅に行くにしたがって緩やかに落ちるタイプで、非常に御しやすいもの。写真を優しく味付けしてくれるので、補正などはせずにそのまま使うのも素敵です。また、モノクロにしても実によい塩梅。扱いやすさとは、写真を撮る上で頼りになる武器だと思いました。ここからは絞った画もご覧いただきましょう。
絞り:F2 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:100
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:400
もっとガツンとシャドウが落ちるかと思いましたが、とてもナチュラルな表現です。締まりすぎず、緩すぎず。きちんと階調のある影は、それだけで写真に華を添えてくれます。パッと見て黒潰れしていそうな場所が、実は潰れていないと嬉しくなりますね。写欲にも繋がります。
絞り:F8 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400
F8まで絞って撮影。線が太くなりすぎず、でも一目でシャープだとわかる描写です。樽型の歪曲収差が若干見られるものの、ほとんど気になりません。
このレンズの撮影をしていて度々感じたのは、とてもハイバランスなレンズだという事。「~すぎる」も、「もっと~であれば」も全く無い。それでいて撮影者のニーズにはそつなく応えてくれます。魅力的なデザインと相まって、いつでもポケットに忍ばせておきたい一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff
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