m4/3 BODY × LEICA-M LENS
ボディ:OLYMPUS PEN Lite E-PL7
マウントアダプター:Kenko M Mount Adapter M-MICRO4/3
レンズ: LEICA Summaron M35mm F3.5 for M3
小柄なオリンパスのカメラボディにアダプターを用い、これまた小柄なライカのレンズを装着すれば、軽快なスナップシューターの完成です。今日の相棒、LEICA Summaron M35mm F3.5 for M3は、所謂大口径レンズのような派手なボケを描く部類のレンズではありません。しかし指先で絞り環を回す所作を行うと、その操作感はまるで古い機械式時計のように精巧なもの。これから撮影へ向かう期待感を騒ぎ立てます。さっそく秋空が広がる街へと歩き出しましょう。
マイクロフォーサーズのボディで使用することにより、画像はレンズがつくるイメージサークルの中心付近を切り出す事になります。その恩恵もあってか、画面端の画像が乱れ過ぎることもなく、構図決めに悪い影響をもたらすことはありませんでした。
柔らかい描写に定評のあるこのレンズも、もちろん絞ってしまえば徐々に解像感が増してゆき、細かな造形を美しくとらえる事が可能です。
長い年月もの間、多くの素晴らしきモノクローム写真を描き続けてきたこのズマロン M35mmが描く、現代の色彩。
ビルの硝子窓による反射光が強烈にレンズへ飛び込んでくるロケーション。レンズ表面で拡散した光がフレアとなり、柔らかな描写になります。ハイキーに仕上げてやれば、ご覧のとおり。まるでデジタルカメラ本体のアートフィルターを用いたような世界を、デジタルフィルターを用いずして描く事が出来ます。
カメラにモノクロフィルムを装填するかのように、今度はモノクロモードに切り替え、しばらくはこの設定縛りで街を歩いてみます。
彩度の高い空色を、カラーを用いずに撮影。流石白黒に定評のあるレンズ。スタジアムの真っ白に塗られた照明塔と真っ青な空のコントラストが眼前に蘇ってくるような描写です。
路地の暗がりに佇む猫。「ライカ × 猫」の組み合わせのマッチングは秀逸です。ズマロンの持つ柔らかな描写と、その中に確かに存在するシャープさが、猫の細く柔らかな毛並そして瞳の質感を再現しています。
「明」と「暗」しかないモノクロ写真。路地の行方から射し込む光が建物の壁、古びた排水溝の蓋、僅かな水溜りに反射しています。これらの光がつくりだした階調を豊かな情報量でとらえられている様子からも、このSummaron M35mm for M3がモノクロ写真の分野で評価が高いことが伺えます。
LEICA Mボディに装着した時に使う「眼鏡」は、今回のようにファインダーのないOLYMPUS PENに装着しても何ら役に立ちません。しかしこれを装着した風貌が何とも趣があります。お洒落を楽しむ「ダテ眼鏡」として、付けたまま持ち歩きました。飾りすぎない衣服を楽しむように、さらりと楽しめるライカレンズがこのズマロンなのではないでしょうか。
Photo By MAP CAMERA Staff