【マップカメラ鉄道倶楽部RailMap】見納めの青函連絡船
東京都品川区にある「船の科学館」に行ってきました。
なぜ鉄道倶楽部で船の科学館?と思われるかもしれませんが、ここにも鉄道に関する資料が展示されているのです。
それは青森から函館までの青函航路を航行していた青函連絡船の「羊蹄丸」。
昭和40年に建造されてから昭和63年3月の青函トンネルの開業による航路廃止まで活躍した羊蹄丸は引退後、
船の科学館の別館として東京湾のお台場に保存されています。
しかし先日、残念なニュースが飛び込んできました。老朽化のため船の科学館は9月30日をもって休館するとい
うのです。一緒に保存されている南極観測船の「宗谷」など一部資料は引き続き公開されるらしいのですが、羊
蹄丸に関しては資金的に維持することが難しいことから、譲渡先を探し、見つからない場合は解体されると発表
されました。
スクリューは外され、桟橋に飾られていましたが(写真左)、綺麗に保存され船体はまだまだ現役で航行できそ
うな雰囲気です。
列車をそのまま積み込んでいた事が分かる船尾のレール(写真右)は、この船が鉄道の一部だった事を物語って
います。
船内も資料館として綺麗に改装されており、中に入るとここが船の中だと言うことを忘れてしまいます。
特に圧巻なのは、昭和30年頃の青森駅周辺の様子を再現したという「青函ワールド」。
りんごを売る店が並ぶ町並の中にリアルな人形が並びます。しかもこれらの人形、突然動きます。……怖いです。
青森駅構内の様子も再現されています。
ちょっと分かりづらい写真ですが、奥の売店に掲げられた名前はキヨスクの前身でもある「鉄道弘済会」。
出札口(写真左)を抜け奥に進むと、「どいて、どいて」と言いながら赤帽のおじさんがやってきます(写真右)。
以前は上野駅や東京駅でも見かけた赤帽さん。最近はすっかり見かけなくなってしましました。
さらに奥に進むと客車とDE10形ディーゼル機関車が保存されていました。
急行「津軽」は上野~青森を結ぶ夜行列車。
客車では青森駅のホームで別れを惜しむ人々、ディーゼル機関車では連絡線に貨車を積み込む様子が再現されて
いました。
上層階に上がると、操舵室に入ることができます。
意外と広いスペースに置かれた大きな機器が船の大きさを物語っています。
羊蹄丸が停泊している場所のすぐ脇は水上バスの発着場になっていて、ちょうど目の前を御座船デザインの船が
横切って行きました(写真左)。御座船とは江戸時代、参勤交代の殿様が乗船した船との事。船の科学館では
展示物以外の船でも楽しませてくれました。
青函連絡船は船の科学館以外にも函館に「摩周丸」、青森の「八甲田丸」が保存されています。
各資料館毎に展示されているものが異なり、それぞれ楽しめるとの事。ぜひ他と比べてみたいものです。
船の科学館では他にも南極観測船「宗谷」の船内見学、本館では昔の船の模型や、潜水艦や海洋開発についてな
どいろんな資料を見ることができます。
今なら9月30日の閉館まで特別料金で見学できますので、皆様も足を運ばれてはいかがですか?
本館の最上階、地上70mの展望台からの見晴らしもお奨めです。
テレビ局のイベント会場に置かれた海賊船も見えちゃいました。
使用機材:Nikon D700
AF-S ED17-35mmF2.8D
OLYMPUS PEN E-P2
M.ZUIKO DIGITAL ED14-150mmF4-5.6