【マップカメラ鉄道倶楽部RailMap】コリドラスの夏休み旅行記08(その2)
私的に思い出の列車を振り返る「コリドラスの夏休み旅行記08」の続きです。
お気に入りだった車両の1つに京王電鉄の5000系という車両があります。
新宿から八王子を結ぶ京王電鉄で1963年から1996年まで活躍していました。
1991年頃に撮影した現役時の京王帝都電鉄5000系
5000系は通勤型電車として日本で初めて冷房が搭載され、また鉄道友の会から技術・デザインの優れた車両に
送られる「ローレル賞」を受賞したことで有名になり、関東の名車と呼ばれていました。
引退後は、複数の地方鉄道に買い取られ第二の人生を送っています。
せっかく岡山まで来たので、観光も兼ねて旧京王5000系が働く高松琴平電気鉄道(通称ことでん)を見に四国へ
渡ることにしました。ことでんは香川県内に3つの路線を持つ地方鉄道です。
その中から社名通りに高松と琴平を結ぶ琴平線を選択。まずは、岡山からJR四国の特急「南風」に乗って琴平へ…。
岡山と高知を結ぶ特急「南風」の車両はカーブでも高速走行できる制御付振子式の気動車2000系。(写真左)
琴平といえば有名なのが「こんぴらさん」の名で親しまれている金刀比羅宮。
JR琴平駅に着くなり黄色地に赤文字の金刀比羅宮のマークが目に飛び込んできます。(写真右)
JR琴平駅駅舎(写真左)。外見は参道駅とは思えないモダンな欧風建築ながら、歴史を感じさせる風格があります。
また、駅前広場には四国鉄道発祥の地の記念碑がありました。(写真右)
1889年5月23日、琴平〜丸亀間の結んだ讃岐鉄道が四国最初の鉄道と記されています。
偶然ながら2年連続で鉄道発祥の地を回ることになりました。
一方、琴電の琴平駅は、真新しさの残るきれいな駅舎(写真左)。
駅の先には金刀比羅宮への門前町が続いています(写真右)。
金刀比羅宮といえば境内へ続く石段が有名です。本宮まで785段、奥社まで1368段あり、よほど体力に自信が
ないと登れません。周りを見れば自分よりご年配の方ばかり(失礼ですね…)。負けてられないと妙な闘志に
火が灯り名物のさぬきうどんでおなかを満たして、石段登りに挑戦しました。
序盤はお土産屋さんやうどん屋さんが並ぶ緩い坂道(写真左)、
そのうち坂の途中に短い階段が割り込むようになります(写真中)。
300段が見えてくる頃には長い階段が続くようになり(写真右)、運動不足の体に応え始めます。
境内の入り口「大門」(写真左)ですでに365段。後の事を考えると引き返したくなります。
さらに登り続けること629段目、旭社に着きました(写真右)。一瞬ゴール?と思ってしまう立派な社殿です。
ぬか喜びからの残り156段は、精神的にも肉体的にも厳しい急な階段。それを登ると本当のゴールです。
785段目、金刀比羅宮本殿。
さらに奥社へ続く道がありますが、まだ肝心の琴電に乗っていないので、ここで終了。
ただ、もし次があるとすれば、事前に相当の体力作りが必要と感じました。
東京タワーの大展望台までの階段が約600段ですから、それ以上の石段を作った昔の人に感服です。
ちなみに785段の景色は…
霞んで先の方が見えませんが、本来なら讃岐富士の背景に瀬戸内海を望むことができそうです。
せっかく苦労して登ったのに残念です。
それでは鉄道倶楽部の活動に戻りましょう。
琴電琴平の駅に戻ると、駅の端にある車庫にお目当ての旧京王5000系の姿を見つけることができました。
現在では型式を1100系に改め活躍しています。
写真左が旧京王5000系の1100系、写真右が旧京浜急行700系の1200系。
下半分の黄色い塗装に目を引くものの、上半分の薄いアイボリーカラーは京王時代を思い出させてくれます。
1100系に乗りたいと思いつつも、日中30分に1本しか来ない琴平線。待ち続けてもやってくるのは、こちらも
京急電鉄から転属してきた1200系(旧京急700系)ばかりでした。
京急電鉄700系も2005年で京浜急行から引退しており、関東ではもう見ることのできない珍しい車両なのですが、
あくまでも目的は別。がんばって1100系を待つものの、あまり時間を無駄にできない事情もあり、結局は
1200系に乗って高松へ向かうことになります。
琴電琴平駅にて 旧京急700系の1200系
それでもなんとか最後に高松城脇で、念願の1100系の走行シーンを見ることができたのは、お参りの御利益の
おかげだったのでしょうか?
高松築港〜片原町にて 旧京王5000系の1100系
結局1100系に乗ることは出来ませんでしたが、後日の予定もあるため、瀬戸大橋を渡って本州に戻ります。
高松から乗ったのは、四国高松と本州岡山を結ぶ快速マリンライナー。(高松駅にて)
高松寄りの先頭車のみ2階建車両になっており、2階がグリーン席、1階が普通指定席になっています。
また運転席の真後ろの4席のみパノラマシートとなっており、瀬戸大橋の景色を正面から楽しむ事ができます。
マリンライナーのパノラマシートから見る瀬戸大橋。
恥ずかしながらマリンライナーに乗ったのは20年ぶり。久しぶりに見た車両の変わりぷりに驚きです。
ちなみにこれが初代マリンライナー(写真左:1988年7月岡山電車区にて)。
今と同じく高松寄りの先頭車にグリーン車が付いていました。(写真右:1988年7月岡山駅にて)
20年前の1988年は、3月13日に青函トンネルが、それから約1ヶ月後の4月10日に瀬戸大橋が開業し、
沖縄県以外の日本列島が2本のレールで繋がった日本の鉄道史における記念の年。
今まで船で渡っていた海を列車で渡る。そこからいろんなものが生まれ、また消えていきました。
次に来るのはいつになるか分かりませんが、そのときはどんな変化が起きているのか、今から楽しみです。
つづく。
使用機材:Nikon D300
Nikon AF-S ED80-200mmF2.8D
TAMRON AF17-50mmF2.8XR Di II