【マップカメラ情報】Canon PowerShot G1 X レポート
PowerSthot G1 Xは、1.5型の大型CMOSセンサーを搭載したデジタルカメラだ。デジタル一眼レフカメラに匹敵するセンサーサイズとボディレンズ一体型から得られるメリットは何だろうか?!
大型CMOSセンサーの強み
2012年3月9日より発売開始となったキヤノンPowerShot G1 X。このカメラの最大のトピックはなんといっても1.5型の14.3メガピクセルの大型CMOSセンサーを搭載しているところだろう。センサーは18.7×14mmと、フォーサーズ規格より一回り大きなサイズとなっている。これにより従来のコンパクトデジカメとは別次元の自然な階調やノイズの少ない豊かな写真描写を実現している。もちろんボケに関しても、センサーサイズの小さいコンパクトデジカメより大きくボケるため写真表現の幅が広がるのだ。
最高ISO感度は12800まで設定可能で、大型のセンサーということもありISO1600も十分実用的だ。高感度強いコンパクトデジカメも増えてきているが、G1 Xの高感度の描写はやはりデジタル一眼レフに近い。JPEGの他にRAWでの撮影も可能となっており、高感度の撮影時のデジタル処理などを含めデジタル一眼レフで培ったワークフローをそのまま活かすことができる。
レンズは35mm判換算28-112mm F2.8-5.8の光学4倍ズームレンズが搭載されている。デジタル一眼レフカメラのキットズームレンズよりはコンパクトだ。光学式手ブレ補正(IS)を搭載しており安心して撮影できる。さらにオートモードならシーン認識によって働くマルチシーンISが働き、オートできめ細やかなISの働きを制御してくれる。
このレンズの残念点は最短撮影距離が広角端で20cm、望遠端で85cmと意外と寄れないことだが、別売りのフィルターアダプターFA-DC58Cを使用すると58mm径のクローズアップ系のフィルターを使用できるようになる。
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PowerShot Gシリーズを継承したボディ
PowerShot G12と比較すると大ぶりとなったG1 Xだが、PowerShot G5以前を知っている方なら以前のPowerShot Gシリーズはこれぐらいのサイズだったことを思い出すのではなかろうか。センサーサイズが従来機から約6.3倍となったといわれるG1 Xなので、光学系を含めてサイズアップするのは致し方ない事なのだろう。
サイズアップはしているが、G12を継承したしっかりとしたグリップがあるため一眼レフカメラのようなホールド感が得られるように作り込まれている。
重さは約534g、軽量コンパクトなレンズ無しのEOS Kiss X5ボディに近い。手にした感覚は、重心がレンズ側にあるため重く感じるようだ。
EOS Kiss X5を含むデジタル一眼レフカメラとG1 Xの違いとして、レンズを繰り出しても自立するという点がある。適度なボディの重さと底面積のおかげで、望遠端にレンズを繰り出しても自立する。記念撮影用途として使う場合、三脚がなくても平らな場所さえあれば三脚無しで記念撮影ができる。旅行などで使用する場合、こういった面もチェックしておくと良いだろう。
充実したインターフェイス
PowerShot G12に近いインターフェイスを継承しているため、モードダイヤル、コマンドダイヤルなど直感的な操作ができるようになっている。ストロボがポップアップ式となったため左肩にあった露出補正ダイヤルがなくなったことにより、モードダイヤルの位置にあったISOダイヤルが露出補正ダイヤルとなった。ISO感度はボタンでメニューを呼び出す必要があるが、高感度に強くなったこともあり、ISOオート設定でも問題ないと感じた。
デジタル一眼レフカメラに近いセンサーサイズを搭載しつつコンパクトなボディーなので、普段使うカメラとして気軽に扱える点が便利だと感じた。そして、バリアングル液晶モニターによる撮影がG1 Xの機動力の良さを感じた。液晶モニターを開いたローポジション撮影はもちろんだが、上を見上げて撮影するシーンでも液晶モニターを目線に合わせるだけでしっかりとホールディングしたまま撮影できる。桜や紅葉撮影の時期などの三脚使用時には特に便利な機能だろう。
フルHD(1920×1080/24p)での動画撮影も可能なため、バリアングル液晶モニターの活用の幅は広いと感じた。