【マップカメラ情報】オリンパス E-620 レポート
先日開催されたPIE2009でのオリンパスブースではE-620を強くアピールしていたことから、高スペックな仕上がりの自信がうかがえました。E-620は小型軽量ボディに先進のボディ内手ブレ補正や効果に定評のあるダストリダクション機能、さらにはフリーアングルライブビュー、アートフィルターやマルチアスペクトといった楽しめる最新機能を余すところなく搭載しています。また、ファインダーはE-520から進化がうかがえる見やすさで、撮影情報も下部に表示されるようになり確認のしやすさも向上していました。さらに、7点ツインセンサー(中央5点はツインクロスセンサー)のAFはレスポンスが求められるシーンや暗い室内など、撮影シーンを選ばずストレス無く撮影できました。
ライブビューの基本性能も高く、AFの反応や液晶の見やすさなどが優れているので素直に「使える」機能に仕上がっていました。特にコンパクトデジカメのように被写体を見ながらピント合わせができるイメージャAFの反応が良かったのが印象的です。また、2.7型液晶モニターは晴天の日中でも明るく表示されるので見やすく、快適なライブビュー撮影が行えました。
ボディは軽量、薄型設計。他社製のデジタル一眼ではあまり例をみないほど背面が薄く、コンパクトにまとまっているので見た目から感じる重量感も少なく、気軽に持ち出したい気にさせてくれます。また、撮影先ではなによりその軽さが際立って実感できるとともに、指に引っかかりのよい突き出た形のグリップのおかげで持ちやすさも良好でした。実際の撮影ではストラップを手首に巻きつけてはいましたが、手でがっちり持つというよりも、指の先で引っ掛けているような感覚で持つことができます。長時間持っていても疲れにくく、撮影にすばやく移れるので歩きながらのスナップ撮影がはかどりました。
6種類のアートフィルターの効き方はどれも個性的です。その日の気分や自分の好みで選ぶもよし、被写体からインスピレーションを得て変えるもよし。目に見える風景を頭の中でイメージを膨らませて撮る楽しみ方は写真撮影の新しいスタイルをもたらしてくれます。また、普段何気なく目にする光景が思いがけない写真に変化したりと、新しい表現を発見できる楽しさがあるとともに、液晶画面ですぐにその効果を確認できるので、ひとつの被写体で様々な絵作りを楽しむこともできます。
液晶モニターを自在に動かせるフリーアングルライブビューは極端なローアングルやハイアングルで撮影する時以外でも常に液晶モニターを一番見やすい角度に傾けることができるので、通常の撮影でも積極的に使っていけます。カメラを上下に傾けた際も、液晶モニターを傾けるという動作を行うことにより、常に楽な姿勢を保ったまま、視線をずらすことなく好きな構図を探すことができます。
また、アートフィルターの効果も実際に液晶モニターで確認しながら撮影できるので、アートフィルターとフリーアングルライブビューの組み合わせ撮影はオリンパスデジタル一眼ならではの新しい撮影スタイルが楽しめます。
■作例
(元画像を50%に縮小)
絞り:F4.5
シャッタースピード:1/2000
ISO感度:200
仕上がり設定:ビビッド
■ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6は軽くてお散歩スナップ向き。そこそこ寄れて背景も広く入れられる広角から使えるズームレンズで使い勝手は良好です。
■アートフィルター:ポップアート作例
(元画像を50%に縮小)
彩度が高く、赤や黄の色味を強調できるポップアート。色とりどりの被写体によく合いポップで華やかな印象の絵作りができます。
■アートフィルター:ファンタジックフォーカス作例
(元画像を50%に縮小)
被写体の色味を残しつつも光をやわらかく演出するファンタジックフォーカス。撮影では日中、公園のシーンの「のどかさ」をより強調してくれました。
絞り:F5.6
シャッタースピード:1/750
ISO感度:160
■ソフトフィルターのような効果のあるファンタジックフォーカスはボケと組み合わせるとよりいっそうおもしろそうです。
■アートフィルター:デイドリーム作例
(元画像を50%に縮小)
全体が淡く青みがかった、どこか懐かしい気持ちにさせてくれるノスタルジックなデイドリーム。何気ない日常の風景などによくマッチしました。
■アートフィルター:ライトトーン作例
(元画像を50%に縮小)
暗い部分を明るく持ち上げてソフトな描写をするライトトーン。ほんのり暗くなった夕景のシーンでしっとりとした印象の仕上がりをしてくれました。
■アートフィルター:トイフォト作例
(元画像を50%に縮小)
何気ないものや風景を謎めいた雰囲気にしてくれるトイフォト。逆光などのコントラストの強い構図ではよりメリハリの効いた面白い効果を発揮してくれました。
■アートフィルター:ラフモノクローム作例
(元画像を50%に縮小)
モノクロの世界と粒子の粗さから力強く荒々しい魅力のあるラフモノクローム。コンクリートや土といった何気ない素材の質感をより荒々しく強調でき、どこにでもある被写体が思わぬ写真に化ける可能性を秘めています。ISO感度をあえて800に上げて撮影すると、さらに粒子が粗くなり、よりその効果を強調できました。
絞り:F6.3
シャッタースピード:1/60
ISO感度:100
露出補正:-0.3EV
■ISO100なら粒子感は割と落ち着いています。ISO感度で粒子感をコントロールするのもおもしろいです。