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【マップカメラ情報】Nikon D7000 レポート

Nikon D7000 レポート

高密度の“新開発”

  2010年10月、ニコンのデジタル一眼レフカメラのラインナップにまたひとつ新たなポジションのカメラが誕生した。「D300S」と「D90」の間に位置する“ハイミドルカメラ”「D7000」だ。本機はコンパクトなボディにいくつもの新開発機能を搭載し、カメラとしての性能を引き上げることに成功している。

 数ある新開発の中で一番目につくのはやはり画素数だろう。ここ数年、留まることなく上昇し続けてきたデジタルカメラの画素数。画素数は一定数さえ満たしていればそれ以上の高画素は必要無いとの見方も、もはや少数意見ではなくなりつつあるが、やはり大は小を兼ね備え、画素数は画質に比例している。画像の立体感や色彩、階調を表現するためには、そのフィールドとなる画素が必要になるからだ。本機は新開発の有効画素数1620万画素CMOSセンサーを搭載し、より高い解像度、より豊かな階調表現を可能にしている。そして、2010年9月16日に発売した同社のデジタル一眼レフカメラ「D3100」から新たに採用されている新画像処理エンジン「EXPE ED2」を本機にも搭載。センサーの高画素化により大きくなった画像データの処理を高速化させ、高感度ノイズの低減にも成功した。

 撮影前にその場の環境や被写体の状況を把握し、カメラを的確に制御する「シーン認識システム」も本機でグレードアップされ、その大部分を司る測光センサーも新開発のものだ。2016分割RGB測光センサー(従来は最大で1005分割)により、被写体の明るさや色情報を詳細に分析し、AE(自動露出)やWB(ホワイトバランス)等に働きかけている。そしてこれに加え、もうひとつの新開発「マルチCAM4800DXオートフォーカスセンサーモジュール」がオートフォーカスの性能を高めた。これまでオートフォーカスが苦手としてきた小さな被写体も的確にとらえやすくなった。フォーカスポイントは39点。「D300S」の51点、「D90」の11点の中間だ。

Nikon D7000 構図微調整機能

 記録メディアはSDメモリーカード。SDXCやSDHCにも対応し、高速転送が可能となったSDメモリーカードが増えてきたことによるものか、従来のCFカードとSDメモリーカードのダブルスロットではなく、2枚のSDメモリーカードを使用できるダブルスロットを搭載している。CFカードとSDメモリーカードの2種類を併せ持つよりも、幾分扱いやすくなったようだ。

 高精度になった「シーン認識システム」によりホワイトバランスも改良され、オートホワイトバランスに新しいモードが加わった。電球色の光源下で撮影した際、画面全体の色調を補正しながらも電球の暖かい色味を残す「AUTO2」だ。このモードで撮影した画像は、補正し過ぎず自然な色調になり、より見た目のイメージに近くなる。今まで表現が難しかった電球色の光もこれからは愛せそうだ。

フラッグシップに迫る堅牢性とファインダー性能

 本機はボディの上面と背面のカバーにマグネシウム合金を採用し、その堅牢性を高めているのだが、実際に持った感覚ではそれを全く感じさせないくらい軽い。恥ずかしながら、私は聞かされるまでボディはプラスチック製だと思っていた…。見た目や印象だけでものごとを決めつけてはいけないのだ。さらにこのボディの各接合部分にはシーリングを施し、防塵防滴性能も十分だ。ここまでコンパクトで堅牢なボディなら、あちこち素早く移動しながら撮影するスタイルのプロカメラマンのサブ機として、その役目を十分果たせるだろう。

 ガラスペンタプリズムによる視野率約100%、倍率約0.94倍のファインダーは、上位機種にあたる「D300S」と同等の性能を誇り、画面の隅々まで“攻め”のフレーミングが出来る。ファインダー内で感覚的に「入れたい」ものと「入れたくない」ものを見つけたときに、それを確実に自分の思い通りにできるのは、何にも代えがたく嬉しいことだ。

 また、レンズマウントに露出計連動レバーを持っているため、ニコンのマニュアルフォーカスレンズ「Aiニッコールレンズ」の使用時に絞り値が表示され、絞り優先機能での使用が可能。ニコンはいまだ現役のマニュアルフォーカスレンズが数多く存在するため、このクラスのカメラでは Aiニッコールレンズ が使用できるかできないかが大きな違いだろう。

 レリーズ時のミラーショックが小さく、非常に柔らかい。シャッターボタンのストロークが他の機種よりも浅いように感じられたが、これは速いレスポンスを優先させてのことかもしれない。

 軽量でコンパクトなボディにぎっしりと詰め込まれた新開発の機能と、それを包み込む上級機並みの堅牢性。幅広いユーザー層に支持される要素は揃っている。画素数で兼ね備えた“大と小”は、ボディ本体では“小は大”を兼ねる方が好ましいようだ。

作例写真

■ 撮影機材:Nikon D7000 +AF-S DX 18-200mmF3.5-5.6G ED VR II

 (リンク先は50%にサイズ縮小してあります)

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:100

    シャッター速度:1/125秒 / 絞り値:F8

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:100

    シャッター速度:1/160秒 / 絞り値:F11

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:100

    シャッター速度:1/160秒 / 絞り値:F6.3

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:200

    シャッター速度:1/60秒 / 絞り値:F8

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:200

    シャッター速度:1/2500秒 / 絞り値:F6.3

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):200mm

    ISO感度:200

    シャッター速度:1/160秒 / 絞り値:F6.3

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):24mm

    ISO感度:200

    シャッター速度:1/125秒 / 絞り値:F4

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:200

    シャッター速度:1/160秒 / 絞り値:F10

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:400

    シャッター速度:1/25秒 / 絞り値:F8

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):26mm

    ISO感度:400

    シャッター速度:1/160秒 / 絞り値:F5

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):20mm

    ISO感度:640

    シャッター速度:1/1000秒 / 絞り値:F9

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:200

    シャッター速度:1/80秒 / 絞り値:F11

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:200

    シャッター速度:1/80秒 / 絞り値:F11

    画像編集:カラースケッチ

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:1000

    シャッター速度:1/6秒 / 絞り値:F5.6

    ホワイトバランス:Auto1

  • Nikon D7000

    焦点距離(レンズ表記):18mm

    ISO感度:1000

    シャッター速度:1/6秒 / 絞り値:F5.6

    ホワイトバランス:Auto2

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[ Category:Nikon | 掲載日時:11年01月13日 14時45分 ]

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