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ビタミンC現像に挑戦!もちろんダークレスで!!



ビタミンC現像に挑戦!

こんにちは。お昼休みの短い撮影機会、なんやかんやで無駄にしてしまい「今日も撮れなかったなあ」なんて日々を送っています。パウセカムイです。

去る12月13日は「ビタミンの日」でした。(だいぶ前の話で恐縮ですが)
1910年に鈴木梅太郎博士が「オリザニン」現在のビタミンB1を発表したのがこの日。それを記念し、ビタミンの大切さを再認識しようと制定された記念日です。

でも「ビタミンの日」と写真といったい何の関係が?当然そうお思いの事と思います。

モノクロフィルム現像に必要な現像液にはいくつか種類がありますがメジャーなのは「ハイドロキノン」という薬品を使ったもの。
多くのモノクロ現像液がこの「ハイドロキノン」を主薬としています。
それに対して最近出てきたのが「アスコルビン酸」という薬品を使った現像液。
「ハイドロキノン」を使ったものと比べて人体にも環境にも優しい現像液として注目されています。

そしてこの「アスコルビン酸」というのは、何を隠そう「ビタミンC」の事。

これは興味深いですよね。つまり、あの風邪の予防やお肌にも良い「ビタミンC」で現像液を作ることが出来るというのですから。
というわけで早速チャレンジ!
「ビタミンの日」を記念してビタミンC現像に挑戦してみました。



ふつうだったらこういう試みにはタンク現像で臨むところだと思いますが
「ダークレス馬鹿一代」を自認するわたしとしては、勿論「ダークレス方式」以外の選択肢はありえません。
それにダークレス方式なら用意する液もごくごく少量で済むという利点もあります。

材料として用意するのは
  • 日本薬局方ビタミンC原末(アスコルビン酸)・・・ドラッグストアで100g 980円くらい
  • 重曹(おそうじ用)・・・たまたま自宅にありましたが500g入りで340円くらい
  • 結晶ハイポ(チオ硫酸ソーダ)・・・熱帯魚愛好家の方ならご存知のいわゆるカルキ抜き。ペットショップなどで売っていると思いますが、今回のは写真用品店で1kg400円くらい。


道具としては
  • フィルムケース×2
  • 計量スプーン
  • ダークレス現像タンク(3個あれば最高)
です。

それではやってみます。

step1.現像液を作ろう
まずは現像液を作ります。
実はビタミンCのほかに「炭酸ナトリウム」というものを入れる必要があります。
現像液の現像能力を上げるためには液を強いアルカリ性にする必要があり、そのためにこの「炭酸ナトリウム」が必要になります。
重曹(おそうじ用)を用意したのはこの「炭酸ナトリウム」を得るため。

重曹を空炒り

サラサラになったらOK

鍋に適当に重曹を入れ、火にかけます。
重曹から水分を飛ばすと炭酸ナトリウムになります。空炒りしてつぶつぶの固まりがなくなり、サラサラの粉になったら出来上がり。


ビタミンCを5g

炭酸ナトリウムも5g

フィルムケースにビタミンCを小さじ1杯(5g)、先程作った炭酸ナトリウムも小さじ1杯入れます。(後で作る定着液とごっちゃにならないように「現」など書いておくといいです。)


泡立ち注意

シェイク!

ケースの半分強くらいまで水を入れます。
ぶくぶくと泡立つので様子を見ながら少しずつ注水。
泡がおさまったらふたをしてシェイクシェイク!溶けたら現像液は出来上がりです。

step2.定着液を作ろう
せっかくなので定着液も作ってみます。
定着液として一般的なのが「チオ硫酸ナトリウム」通称ハイポを使ったもの。
ハイポとは金魚とか熱帯魚を飼う時に水道水からカルキを抜くために使われることが多い薬品です。


結晶ハイポを小さじ1杯

ふたたびシェイク!

フィルムケースにハイポの結晶を小さじ1杯入れ、先程と同様ケースの半分強くらいまで水を入れてシェイクシェイク!
結晶が完全に溶けたら出来上がり。

step3.現像作業
現像液、定着液の用意が出来たら現像作業開始です。


現像液と定着液

温度調節

現像液はほんのりと温かく、定着液はキンキンに冷たくなっています。
ボウルにお湯を入れたものにつけて、だいたい25度くらいに調整します。

今回の使用フィルムは最近お気に入りの超微粒子フィルム ネオパンアクロス100。
おそらくはいつものダークレス現像液と比べて現像能力は落ちると思われるので
現像時間は長めに設定。思い切って10分です。


ダークレスタンクに注入

液量に注意

お馴染みのダークレス現像タンクに現像液を注入。
タンクの半分くらいまでにしておかないとフィルムを入れた途端にあふれます。ご注意。
パトローネごと入れて、あとはいつも通り力を入れすぎないように注意しながらひたすら巻き締め、緩めを繰り返します。
ふだんのダークレス現像だと長くても5分。10分はやはり長く感じます。

step4.停止処理
普段のダークレス現像なら現像が終わったらすぐさま定着に移るのですが、
今回は「停止」処理として水を入れたダークレス現像タンクに入れ、1分ほど巻き締め、緩めをします。
普段のダークレス用現像液にはどうやらある一定以上現像が進まないようにする抑制剤が添加されているようなのですが、
今回のビタミンC現像液には「ビタミンC」と「炭酸ナトリウム」しか入っていません。
だから念のため定着の前にこの停止処理をしておきます。

step5.定着作業
続いてタンクに定着液を注ぎ、フィルムを投入。定着も長めに10分。巻き締め、緩めを繰り返します。(けっこうキツイ。)
この時点では「まあ、上手くいかなくてもがっかりはしないぞ」くらい思っていたほうがいいかも知れません。


定着液を注入

運命の一瞬

10分たち、いよいよ運命の瞬間。オープナーでパトローネをこじあけフィルムを取り出します
・・・やりました!ちゃんと現像できてます!


処理後の現像、停止、定着液

長めに水洗い

処理後の各液。
左から現像液、停止液(水)、定着液。
処理前には無色無臭だった定着液が茶色く変色しているのが印象的。そして軽くバナナの腐ったような匂いが。

step6.水洗い、乾燥処理
市販の定着液にはいろいろフィルムをコートしたり、硬化させるようなものが入っているようですが、今回の手作り定着液にはそういうものは何も入っていないので、おそらく保存性は落ちると思われます。
だからせめてもの対策として水洗いを長めに50分。余計な薬剤を洗い流します。



スポンジで水分をとって乾燥。
水分をとりながらじっくりと観察すると、ちょっと濃いめながらキレイに現像できているようです。
今回36枚撮りのフィルムをそのまま使用してしまったのですが、ムラも少ない様子。
現像液、定着液とも多目だったのが功を奏したのかもしれません。

しかし乾燥が終わったフィルムは多少ふにゃふにゃしている感じ。
早めにスキャンしておいたほうがよさそうな気もします。


LEICA M5 / Ultron28mmF1.9 ネオパンACROS100
ダークレス ビタミンC現像(10分) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 / Ultron28mmF1.9 ネオパンACROS100
ダークレス ビタミンC現像(10分) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 / Ultron28mmF1.9 ネオパンACROS100
ダークレス ビタミンC現像(10分) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 / Ultron28mmF1.9 ネオパンACROS100
ダークレス ビタミンC現像(10分) EPSON GT-X770でスキャン


LEICA M5 / Ultron28mmF1.9 ネオパンACROS100
ダークレス ビタミンC現像(10分) EPSON GT-X770でスキャン

スキャン結果。
うーん、ちょっとコントラストが高いですね。現像時間が長すぎたかもしれません。
微粒子のアクロスのはずなのに、かなりザラっとした印象。でもこれはこれで悪くはないかも。

いかがでしょうか?わたし自身はかなり楽しめました!
ほかにコーヒーでも現像できるらしいです!
ご興味を持たれた方、そちらもぜひお試しください。

文系人間のわたしにとっては、
カメラで光を与えたモノクロフィルムにこちょこちょと処理をするだけで「絵」が出てくる
ということ自体が魔法のようなもの。

いつも現像しては感心しているのですが、
ドラッグストアや自宅の台所にあるものから適当に作った現像液で、しかも「ダークレス」方式でここまでできるとは。
妙な充実感に思わずにんまりしてしまいました。

掌の上の古いカメラの感触を楽しむ「所有感」
街に出て、出来上がりを想像しながらシャッタースピードダイヤルや絞り、ピントリングを操作する、一種の「スポーツ的快感」
「試行錯誤」の喜びを味あわせてくれる現像処理の面白さ
すべてが噛み合って「納得の一枚」を手にしたときの「達成感」

うーん実に奥深い!
フィルム写真は死なず、未だ消え去りもしない です!

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written by パウセカムイ
この記事のカテゴリーは『トル・アソブ』です | この記事は2011年12月19日現在の情報です。


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