【タイムズフォト】豪雪の白川郷
この冬、初めて岐阜県白川村の白川郷を訪れてみました。
白川郷といえば雪景色!ということで、この時期を狙っていたのです。
白川郷は、ユネスコの世界遺産にも選定され、日本でも重要伝統的建造物群保存地区として
今でも古い家屋が軒を連ねています。
その古い家屋の集まりこそが、合掌造りと呼ばれる集落です。
日本の古き良き景観に、国内外から多くの観光客が訪れるそうです。
↑つららが斜めに傾いたまま凍っている
夕方に到着したのですが、宿で夕食を頂いてから写真を撮りに出かけました。
此度の宿はもちろん、合掌造りの宿。
宿の人がとても良い方で、バス停まで車で迎えに来ていただいたのですが、
近くにいた送迎のない別の宿を予約されていた方にも声をかけ、
豪雪で歩きづらいでしょう、と一緒に乗せてお送りしていました。
この集落に棲む人々が、皆で協力してこの村を守っているのでしょう。
宿に着いてからも、客人の私が寒くないようにと部屋から廊下、洗面所に至るまでストーブを炊く、
そのもてなしの心に感動しました。
観光客に支えられて維持されている白川郷からの、お気遣いとおもてなしです。
白川郷へは、高山駅から出ている濃飛バスを利用しました。
雪山を縦断する高速道路を抜けて、約50分ほどで到着する予定でした、
が、ちょうどこの日、日本海側の大寒波による豪雪の影響で、到着予定時刻よりも遅い到着となりました。
白川村圏内に入ると、バスの高さに迫る勢いの積雪が道路脇を囲い、
たくさんの除雪車が往来していました。
↑除雪車に積もった雪は除雪されないまま・・・
このような豪雪地帯では、必然的に普通自動車よりも除雪車優先になってしまうようで、
前を行く除雪車の後をバスはゆっくりついて走ります。
なにせ、避けようにも両脇は雪の壁、ですから。
↑国指定重要文化財であり、合掌集落で最大規模を誇る合掌造り「和田家」
観光の為に家の中を一部公開していますが、現在も和田家の方がここで生活しているそうです。
↑和田家2階の窓からの白川郷
この日は、到着した昨日より更に80cm近く雪が積もり、なお降り続き、
家も看板も車も、とにかく雪に埋もれていました。
後で宿の方に訊いたのですが、ここに来るときに通った高速道路(東海北陸自動車道)は一昨年に開通したばかりで
それができてから、高校のない白川郷から高山市の高校へ通う高校生は、
下宿しなくても自宅通学できるようになったりと、白川郷と高山を繋ぐルートがとても便利になったのだそう。
現在も、雪による交通規制や通行止めは日常的なことのようです。
他にも、私がすばらしい景観だと感想を零した時に、
宿の方は、でもはやく溶けてくれないかね~と漏らしていた言葉。
豪雪地帯で暮らすということは、観光でひょっこり訪れるような私達には知る由もない苦労があることが
言葉の端から感じられます。
↑軒先から折れて落ちて来やしないのかと心配になるほど大きなつらら。
こうしてこの合掌造りの白川郷という集落が今なお、生きてこの同じ日本の中にあるのです。
これからもこの地がこのままの姿で、保たれることを願うばかりです。
■撮影機材
Nikon NewFM2
Carl Zeiss Makro Planar T* 50mm F2 ZF
Carl Zeiss Distagon T* 25mm F2.8 ZF
Nikon Ai-S Nikkor 135mm F2.8
ILFORD DELTA400
(スキャニングしたら周辺光量が落ちたようになりましたが、特に補正していません)
by.ねりきり