シグマのArtラインシリーズに最広角レンズが登場!その名も『SIGMA A 12-24mm F4 DG HSM』。
シグマの12-24mmズームはこれで3世代目。1世代目は2003年に、2世代目は2011年に発売されています。長年ユーザーの方々に愛されてきたシグマの12-24mmズームですが、今回はArtラインシリーズの仲間入りということで、特に気になるのがその描写力。
早速1枚目に12mmでの撮影を試みましたが、気持ちいいくらいに周辺までピシッと解像しています。歪みも極限まで抑えられており、「ゼロ・ディストーション」と謳うにふさわしい描写を魅せてくれました。
実際にメーカーサイトのディストーションチャートを見てみると、2世代目からまた更に進化を遂げていることがよく分かります。
最短撮影距離は2世代目と比べて4cmほど縮まっており、背景のボケをより一層楽しむことが出来るようになりました。ズームレンズではありますが、単焦点レンズ並の描写力です。
また、ボケの形も周辺まできれいな正円を描いてくれています。Artの名に恥じない素晴らしい写りですね。
窓から強い光が射している状態での1枚ですが、逆光にとても強いおかげでフレアやゴーストは全くと言っていいほど気になりません。コントラストが落ちることもなく、見たままの色をしっかりと描写してくれました。
広角側+最短で撮影をした場合はご覧のように周辺が少し流れるので、広角レンズならではの勢いのある描写を楽しみたい方はぜひお試しください!
ゼロ・ディストーションを生かした建築や風景の撮影はもちろんのこと、本レンズはスナップ撮影にも適しています。超広角から標準域まで、様々な楽しみ方のできるレンズですね。
この写真はぜひ拡大をしてご覧頂きたい1枚です。対岸に居る人たちや、右側の橋の柵等、こんなに細かいところまで写るのか!とびっくりしてしまいました。
防塵・防滴構造にパワーアップをしたおかげで、こういった水辺での撮影も恐れることはありません。マウント部分にはしっかりとしたゴムのシーリングが施されています。
「こんなに前玉が出ていると防塵・防滴構造でもちょっと不安…」と思われるかもしれませんが、そこはご安心ください。前玉に撥水・防汚コートを採用しているという抜かりない設計となっています。
この日はとても天気が良く、景色もとても美しかったのでついついたくさんシャッターを切ってしまいました。
見たままの感動をまるごと切り取って写真に残すことが出来るのが、広角レンズの一番のメリットなのではないでしょうか。
フォーカスの精度と速度は驚異的!この写真は歩行者天国を歩いている時にサッと構えて撮影をしたのですが、驚くほどフォーカスが速く、そして正確です。静物はもちろんのこと、風に揺れている花等の動いている被写体も逃さず捉えます。また、AFの合焦音もとても静かです。
1日を通して撮影をしてみて、ピントやフォーカスにおいての不満はひとつもありませんでした。特に『Canon EOS 5D Mark IV』のタッチパネルとの組み合わせはかなり快適です。
最後は、手持ちで新宿の夜景を撮影しました。『Canon EOS 5D Mark IV』と合わせると総重量2kg超えとなかなかの重さになりますが、しっかりと固定をすれば手持ちでも撮影可能です。
筆者は『A 50mm F1.4 DG HSM』を所持しているのですが、A 50mmと同様にA 12-24mmも前モデルと比べると重量がかなり増えていることが分かります。小型・軽量化が目立つ昨今のカメラ業界で、なぜ大きくて重いレンズがこんなにも人気なのかと言えば、それはまさしく「描写の素晴らしさ」。この一言に尽きるでしょう。
シグマのArtシリーズは、重くてもそれだけの、否、それ以上の価値があるレンズなのです。
レンズを横から見てみると、前玉がせり出していることがよく分かります。
フロントキャップはかぶせ式。これだけレンズが出ていると撮影をしていない時は常にキャップをしておきたくなるものですが、付け外しのしやすいフロントキャップのおかげでスムーズに撮影を行うことが出来ました。
『SIGMA A 12-24mm F4 DG HSM』いかがでしたでしょうか。
先ほども触れましたが、初めてこのレンズを見た時に、その大きくせり出した前玉にまず目が行きました。上の写真をご覧いただくと分かるように、まるでCGのように美しいです。ぱっと見ただけでも「いったいどんな世界を写しだしてくれるのだろう?」と期待に胸を膨らませたのは私だけでは無いでしょう。
メーカーサイトによると、『A 12-24mm F4 DG HSM』はレンズの最前面にクラス最大径であるφ80mm大口径グラスモールド非球面レンズを採用しているとのこと。このレンズを最前面に採用することで、本レンズの謳い文句でもある『「ゼロ・ディストーション」の世界』を表現することが出来るのですね。
着々とラインナップが増えていくSIGMA Artシリーズですが、11月にはポートレートに最適なレンズ『A 85mm F1.4 DG HSM』の発売も予定されています。今後もSIGMAの新製品情報からは目が離せません。
Photo by MAP CAMERA Staff
|