パナソニックから、新たに超広角ズームレンズが登場しました。その名も『Panasonic LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH.』。
「エルマリート」の明るさを誇る超広角ズームレンズですが、本レンズの特徴はその明るさだけでなく、ライカの基準をクリアした高い描写力も目玉のひとつです。
実際に使用してみると、広角から歪みの抑えられた秀逸な描写に加え、隅々まで余すことなくしっかりと解像してくれるその実力には撮影しながら思わず笑みがこぼれてしまうほど。
また、フォーカスリングとズームリングのトルク感も程よく、手にフィットする作りと高級感のある金属外装が撮影意欲を掻き立ててくれると共に、所有欲までをも満たしてくれる逸品です。
冒頭の写真は一面に広がるカリフォルニアポピーを広角域で捉えた1枚ですが、開放からシャープな写りを魅せてくれました。鮮やかなオレンジを強調したかったので、フォトスタイルは「ヴィヴィッド」で。
拡大をして見てみると、花びらの内側に付着している細かい花粉まで写っているのがよく分かります。
今度はGH5のバリアングルモニターを生かして、少しローアングルからの撮影。
今回の撮影場所は国営昭和記念公園。普段は大勢の家族連れで賑わう大きな公園なのですが、早朝に行ったことが幸いしてか人の居ない状態のイチョウ並木を写真に収めることができました。
お次はテレ端で。35mm判換算で36mmなので、1枚目・2枚目のように迫力のある写真だけでなく、このように通常のスナップ撮影も楽しむことが可能です。
1本のレンズで色々な撮影を楽しむことが出来るのがズームレンズの良いところですね。
建物の天窓から射す光を強調するために、今度は雰囲気を変えてモノクロームモードで。
明暗の差が著しい被写体でも黒ツブレも白トビもすることなくしっかりと写しだしてくれています。
AF性能は非常に優秀。ピタッと被写体に吸い付くようなスムーズなフォーカシングのおかげで、このようにフォーカスが迷いがちな場面でもストレス無く撮影を楽しむことが出来ました。
この日はニュースでも取り上げられるほどの猛暑日で、ぎらぎらと照りつける太陽に泣かされました…。
暑いのが大の苦手な筆者は夏が近づくとカメラを持ち出すのが億劫になってしまうのですが、GH5と本レンズの組み合わせは非常に軽量で、30℃を超える暑さの中で1日撮影をしていても疲れを感じることはありませんでした。
本レンズは高い防塵・防滴性能を備えているため、これからのじめじめとした梅雨の季節はもちろんのこと、海辺など夏のレジャーでも威力を発揮すること間違いなし!
防塵・防滴、と今でこそよく聞く言葉にはなりましたが、防塵・防滴であることで撮影の幅も広がりますし、何より悪天候や厳しい撮影環境下でも臆することなく撮影を楽しめるというのはありがたいことです。
本レンズの最短撮影距離は23cm。開放+最短で撮影をすると、ご覧のとおり単焦点で撮影したのかと見紛うほど綺麗にボケます。
端の方まで正円を描いているのも嬉しいポイント!
今度は目いっぱい木に寄って、アオリで撮影をしてみました。
強い日の光が降り注いでいたのにも関わらず、ゴーストのかけらも感じられないこの写り。ナノサーフェスコーティングによる逆光耐性はかなりのものです。
歪曲収差等の諸収差を抑える非球面レンズを4枚、そして色収差を抑えるEDレンズを3枚と、合計7枚の特殊レンズを贅沢に使用した本レンズ。
ボディから取り外してレンズだけを持ってみて、改めてこの小型・軽量なレンズの中にこれほどまでの技術が詰め込まれていることに感心してしまいました。
『Panasonic LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH.』いかがでしたでしょうか。
ズーム全域で高品質な描写を魅せてくれる本レンズは、まさにこれからの季節にぴったりのレンズです。風景、スナップ、物撮り等、様々な撮影シーンで活躍してくれることでしょう。
しかも明るい広角ズームでありながら、315gと軽量なのもかなりの魅力。個人的には旅行のお供にぜひおすすめしたい1本です。これ1本があれば屋外はもちろんのこと、明るいF値のおかげで屋内でも快適に撮影を楽しむことが出来ます。
また、インナーフォーカスのためレンズの全長が88mm固定のまま変化することがないのもメリットの1つだと言えるでしょう。
冒頭でレンズの外観について少々記述いたしましたが、レンズフードにロック機構があるのも特筆すべき点の1つです。このロック機構のおかげで、誤ってフードが落下してしまうこともありません。
さすがライカの名を冠するだけあって、隅々まで配慮の行き届いたまさに非の打ちどころのない設計です。
そして何より、ここまでハイスペックな広角ズームを気軽に持ち運べるというのが最大のメリットであると感じました。
Photo by MAP CAMERA Staff