期待の新製品、Canon5D Mark IIIの試写を行いました。今年はCanon以外にも、各社話題の新製品を投入していますが、その中でも3年ぶりのモデルチェンジとなった5D MarkIIIには、期待を寄せる方も多いのではないでしょうか。
今回は大きな方針転換等は無く、一見細かなモデルチェンジを行った…とすら見えるMarkIII。その実力はどれ程のものなのか、撮影を行いました。
約2230万画素という高画質は画面四隅までくまなく描写し、拡大していくと予期しなかったものまで写りこんでいるという驚きの高画質です。5DMarkIIでも十分な高画質と感じていましたが、モニター上で比較するとその差は歴然。まるで中判フィルムのような高解像力は大きな魅力です。
また、ISO25600という超高感度撮影もサポート。この感度、もちろんノイズは発生しますがディティールの欠損も少なく、暗部の色ノイズの発生も抑えられており、予想以上に“使える”印象です。 そのほか、多重露出やハイダイナミックレンジモードなど新しい撮影機能も取り揃えており、更に様々なシチュエーションに対応できるカメラとなりました。
ファインダー視野率が100%となったのも大きな変更点。ファインダーギリギリで切り落としたはずの被写体が、撮影したら写りこんでしまうのはとても困るもの。5DMarkIIIであればファインダー像=画角になっているので、撮影時の意図をダイレクトに表現できます。
そして、試写時に一番印象的だったのはその快速なレスポンス。これまで5DMarkIIで感じられていたシャッターフィーリングの少しのもたつきが、今回MarkIIIでは完全に払拭されています! シャッター音はフィルム時代のプロ機の様にやや高めで素早い気持ちの良いもの。 また、カメラ自体の動作も画素数が更に上がったのにもかかわらず、新しい処理エンジンのDigic5+の処理スピードの速さか撮影は快適そのもの。 『フルサイズ、高画素機を使っている。』そういったことを全く感じさせない事が、今回の5DMarkIIIの素晴らしさなのかもしれません。
飛びぬけた方針変更などが無かった今回の5D MarkIII、個人的にも細かいリファインなのかと感じていましたが、その予想を覆す完成度の高さです。まさに神は細部に宿るもの、インターフェースからボディデザイン、シャッターレスポンスや高画素化など、様々な細かいリファインの結晶として、また1つ別の次元のカメラとして生まれ変わっています。
そして、総じて一番感じたのは“とても親しみやすいハイスペック機”に仕上がっているな、という印象でした。 ボディデザインから、これまでの5Dはハイエンド機という印象の強い、マッシブな印象のカメラでしたが、今回の5DMarkIIIはボディデザインからして丸みを持ち、使いやすさも折り紙つき。 シャッターも軽快で、レスポンスも良い。 それでいて、仕上がる画像は超がつく高画質なのですから、これは本当にすごい事です。
これまで5Dシリーズをお使いだった方にはもちろん、これまでフルサイズ機を使ってらっしゃらなかった方にこそ、ぜひとも使ってみていただきたい。 使っている時の心地よさ、美しい絵が撮れた時の感動。この違い、感じていただけるはずです。
Photo by MAP CAMERA Staff