SONY FE 24-105mm F4 G OSS
充実著しいソニーEマウントのフルサイズレンズ群に、利便性の高い標準ズームレンズが加わりました。
『FE 24-105mm F4 G OSS』は、ズーム全域で高い描写性能と高速・高精度なAF性能に高い機動力も持ち合わせた「G」レンズです。 すでに標準域をカバーするズームレンズとしてZEISSブランドの「Vario-Tessa T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」や、圧倒的な解像力と美しいボケ味を両立したG MASTERシリーズの「FE 24-70mm F2.8 GM」など、優秀なレンズがラインアップされているだけに、これらのレンズとの実力差が気になります。ましてや、高精細なα7Rシリーズの最新モデル「α7RIII」と同時発表、同時発売と言うこともあり、当然高画素カメラを意識した設計になっているはずと、高まる期待を抑えることができません。
度々撮影に訪れる上野公園でのファーストカット。今回は先代の「α7RII」での撮影になりましたが、こちらも「α7RIII」と同じ4240万画素の高精細なセンサーを搭載したモデル。高画素機ならではの生々しい描写を披露し、見慣れた銅像もいつも以上の迫力を感じさせます。
カールツァイスレンズと双璧を成すGレンズシリーズは、コニカミノルタ時代より培われてきたレンズ技術を継承し、ソニー独自の設計、品質管理が注ぎ込まれた高性能レンズです。
ズームレンズを愛用されてる方は、F2.8通しの「大三元」、F4通しの「小三元」という言葉をよく耳にすると思いますが、本レンズの登場によりGレンズシリーズで12〜200mmの小三元システムが完成するということも注目したいポイントです。先に発売されている広角/望遠ズームが共に高性能。もちろんその一角を担う本レンズも、高い性能を誇ります。
黄色く色づき始めた葉が太陽に透けて綺麗だったので、逆光を承知でシャッターを切りました。フレアやゴーストを抑制するナノARコーティングの採用により、逆光時でも高いコントラストを維持したまま綺麗な画を披露してくれました。
最短撮影距離は38cm。使いやすい標準ズームレンズで最大撮影倍率0.31倍の近接撮影が可能と便利さがさらに際立ちます。薔薇の花にギリギリまで寄っての撮影では、シャープな描写と美しく柔らかなボケ味の両方が堪能できました。
AFも優秀です。ボディに搭載された399点位相差AFと相まって、近接撮影でも狙ったところにスッとピントが合焦します。
潮の引いた干潟では、多くの野鳥が羽を休めていました。正直、もう少し長い焦点距離が欲しいと感じるシチュエーションですが、トリミング前提で撮影できる高精細なカメラが揃うソニーだけに、不便さは感じません。遠い被写体や水面に反射する姿もしっかり捉えてくれます。
干潟沿いの遊歩道を歩いていると、時折水分を含んだ強い風を浴びることがあります。こんな時は防塵・防滴に加え、前面レンズにフッ素コーティングを施したタフな構造が心強く感じます。
広角端での撮影では、よりヌケの良いクリアな描写を感じることができました。
雨の多かった夏と打って変わって、空気の乾燥が感じられる今日この頃。そんな空気感も伝えてくれます。
関東地方で11月に実施される風物詩「酉の市」。マップカメラからほど近い新宿の花園神社でも大きな市が立ちます。
日が傾き始め、提灯の明かりが徐々に目立ち始めた頃の微妙なグラデーションを綺麗に捉えてくれました。
売買が成立すると盛大な三本締めが行われる賑やかな酉の市。邪魔にならないよう、少し離れた場所から撮影しましたが、その賑やかな雰囲気をそのまま切り取ることができました。
混雑する場所では、すぐにバッグから出し入れできる軽量なシステムがとても重宝します。663gのレンズはボディとのウェイトバランスもよく、液晶モニターをチルトさせながらの不安定なホールディングでも快適に撮影が楽しめます。
開運招福、商売繁盛を願う縁起熊手。それぞれに違う装飾が施されており、そんな細かな装飾も綺麗に捉えてくれます。
使い勝手の良さと優れた描写力。標準レンズに求められる要素を高いレベルで満たしています。
朝夕の冷え込みに合わせて、日没時間も相当早くなりました。先月までの時間感覚で撮影していると、あっと言う間に周囲は暗くなります。夕景を撮ろうと思って登ったマンションの屋上は、すでに夜景と化していました。カメラを固定する機材を持ち合わせていなかったので、ブレずに撮れたらラッキーと半ば祈るような気持ちで撮影しましたが、レンズに搭載された手ブレ補正(OSS)とボディに内蔵された手ブレ補正を組み合わせた5軸手ブレ補正のおかげで、綺麗に切り取ることができました。
ズーム全域で安定した描写力は上位レンズのG Masterレンズに迫り、使い勝手の良さも軽量なZEISSレンズに迫るものがあります。さらに望遠側がより強化されたというアドバンテージも。当初の期待を裏切らない高性能と万能ぶりを披露してくれました。
満を持して登場した「G」の称号を持つ最新レンズはこれまでの製品の良いとこどりと、+αが詰まったとても便利な1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff