使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
Canon EOS R+ RF24-105mm F4L IS USM
デジタル技術の目覚ましい進歩により、新たなカメラのカテゴリーとして誕生した『フルサイズミラーレス』。いち早くこのジャンルを開拓し、続々と新モデルを登場させるソニーや、国産カメラ創成期から一眼レフを作ってきたニコンもフルサイズミラーレスに参戦するなど、今カメラ業界全体で大きな変革の時を迎えています。そして、その動向を静観していたように思えたキヤノンでしたが、遂に初のフルサイズミラーレスを登場させてきました。今回のKasyapaでは発売を控えた新製品『Canon EOS R』をご紹介いたします。
『Canon EOS R』をはじめて手に取った印象はミラーレス機らしい凝縮された質感と「EOSだ」とすぐに分かるその姿。一眼レフの系譜を感じるデザインは“新ジャンルのカメラ”というより最新のEOSという印象がとても強く、グリップの握り心地も完全に小さなEOSです。このような物作りは「さすがキヤノン、上手だな。」と感じてしまいます。
そして肝心の画作りですが、まずはここから数カット写真をご覧ください。
今までα7RIIIやZ7の撮影もさせていただいたのですが、正直『Canon EOS R』の画質に驚きました。
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
新次元の画質に到達した、EOS R システム。
撮影を初めて数カットで気づかされる『Canon EOS R』の驚くほどクリアでシャープな画作り。画素数は『EOS 5D Mark IV』と同等ですが、個人的に『EOS 5DsR』を超える表現力なのではと感じます。これはカメラ側のセンサーや画像処理エンジンだけでなく、新開発されたRFレンズの解像性能も相当高いのだと感じました。
今回使用したレンズは、多くの方が最初の1本として購入するであろう『RF24-105mm F4L IS USM』というズームレンズ。EFレンズではおなじみの“ニーヨンヒャクゴ”のRF版です。しかしその画質表現は一眼レフ用のものと比べワンランク上と言っていいでしょう、開放からカミソリのような切れ味を見せてくれます。ハイライトが重なった時に若干のフリンジが発生しますが、これも解像力が高いが故に起きる現象のように思えます。相当イジワルな見方をしない限り気にならないはずです。
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
食事に訪れたカフェ・バーで撮影したグラス。『Canon EOS R』の写真からは高解像力が生み出す立体感を感じ取れるはずです。
ミラーレスに変わってもAFスピードと正確さは流石キヤノン。『RF24-105mm F4L IS USM』装着時にはフルサイズミラーレスで最速のAF0.05秒を実現しており、とっさのシャッターチャンスも逃しません。
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
『RF24-105mm F4L IS USM』の最短撮影距離は0.45mから。105mm側で撮影すれば花や小物をクローズアップして撮影することができます。そして遠景で感じたカリカリとした解像感は少し和らぎ、被写体の質感となめらかなボケ味を楽しむことのできるレンズです。
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
『Canon EOS R』は、ローパスフィルターが搭載されているセンサーが採用とのことですが、ここまで緻密に解像しているのならばローパス有無の話は もはや不要のように感じます。しかしながら、これほど規則性のある線の中にモアレが発生しないことを考えると、キヤノンの画像処理技術は相当高いのだなと改めて実感しました。
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
使用機材:Canon EOS R + RF24-105mm F4L IS USM
キヤノンが送り出した、次世代カメラの新たな指標。
一眼レフのシステムを小型化に、ということで生み出されたミラーレスシステムですが、『Canon EOS R』はカメラの小型化が真の目的ではなく、ショートフランジバックが生み出す新システムの優位性を存分に活かした機種だということを実感できました。RFレンズの性能も非常に高く、キヤノンの新たなカメラシステムは一眼レフを超える表現と今後の可能性を秘めています。
当初はライバルメーカーが高画素機とベーシック機の2機種を展開する中、3030万画素の『Canon EOS R』だけで戦えるのか?と思っていたのですが、撮影を終えてその疑問は全て吹き飛びました。体感的にではありますが、本機の画作りは4〜5000万画素級に迫る十分な性能を持ち合わせていると思います。
開発も含め、多くのメーカーがフルサイズミラーレスに参入してきた2018年。満を持して登場してきた『Canon EOS R』は想像以上のカメラでした。キヤノンの新たな歴史を築く素晴らしい一台です。
Photo by MAP CAMERA Staff