CanonRF24-70mm F2.8 L IS USM
Canon初のミラーレス用大三元標準ズームレンズが、好評を博しています。F2.8通しのLレンズにも拘らず、最大5段分の手振れ補正機構が搭載されており、最短撮影距離が0.21mからというのも特筆すべき点。高性能と使い勝手の良さを両立させた、大人気間違いなしのレンズです。そんな当レンズとEOS Rを組み合わせて、鎌倉まで足を延ばしました。
丸窓が印象的な茶室。日本らしい風景に心が洗われます。緋毛氈に光が反射し、部屋がうっすら赤みがかっているのが、より幻想的な雰囲気にさせています。シャッタースピードは1/20秒。ともすると手ブレしてしまう設定ですが、搭載されている手ブレ補正機構のおかげで、ピントを合わせた鉄瓶をシャープに写すことができました。丸窓の向こうにある庭園は普段は非公開なのですが、年に2回、花菖蒲と紅葉の時期に特別公開されます。今回、紅葉の時期の特別公開初日に行ってきました。
特別公開の庭園にある一本のもみじが染まっていました。この日は紅葉は1割程度といったところでしたが、現在は見頃のピークを迎えているようです。しかし紅葉していない木が多いおかげで、背景の緑とのコントラストが生まれ、もみじの紅が一層美しく引き立てられました。
苔に立つ小さなお地蔵様の前に、色づいた葉が落ちていました。まるで誰かがお供えしたかのよう。最短撮影距離まで近づいて撮影すると、ピント面がお地蔵様の目元を捉えました。輪郭や肩のあたりはボケているので、いかにピントが浅いかがわかります。とろけるようなボケに、F2.8開放の底力をひしひしと感じます。
カイヅカイブキという木が存在感を放っていました。暴風に吹かれているかのような枝ぶりが見事です。燃えさかる緑色の炎のようにも見えます。当レンズは、常緑針葉樹のその一本一本の針先まで、精細に描写してくれました。
寝ていた猫が起きあがり、階段に前足をかけました。登ろうと少し上げた左後足がとても可愛らしいです。その様子を生垣の前ボケを入れて撮影しました。猫はアップで撮るのもよいですが、風景の中に収めるのも味があります。結局どう撮っても魅力的であることには変わらないのですが。猫はその後、一段上がり板の匂いを嗅いで場を確認すると、そこに香箱座りしてまたうつらうつらし始めました。
プラタナスの並木道が黄葉していました。木に付いている葉はもちろんのこと、道にも落ちた葉が敷き詰められ、黄金色の世界が広がっていて圧巻です。ベンチは満席。写真を撮ったり本を読んだり、思い思いに楽しんでいました。

高性能と使い勝手の良さを両立
ミラーレスカメラのショートフランジバックを活かした設計で、高性能と使い勝手の良さを両立させる稀有なレンズだと感じました。まず、手ブレ補正機構が頼もしく、おかげで撮影の幅が広がります。ISがついているからといって画質が落ちることもなく、すっきりとした解像感が気持ちの良い画が得られます。また最短距離の短さも、事前に数字ではわかっていても、実際に撮ってみると驚きました。寄った際に得られる滑らかなボケは大玉を実感させてくれます。ズームリングも回しやすく、高速なAFも相まって、とにかく使いやすいレンズと言えます。光学系の高性能と取り回しのしやすさは、さすが大三元Lレンズと言えるのではないでしょうか。どなたにもおすすめできる一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff