「AF-S 24-120mm F4G VR ED」は、前モデルの「AF-S VR ED 24-120mm F3.5-5.6G」から、画質、機能、操作性のあらゆる面をブラッシュアップしており、さらに高い逆光性能を誇るナノクリスタルコートが施され、痒いところに手が届くズームレンズとして大きく生まれ変わった。
まず注目したいのは開放F値。前モデルがズーミングによってF3.5からF5.6へ変動するのに対し、本レンズはF4の通しになっている点だ。ズーミングをしてもF値が変わらなければ、シャッタースピードも固定ができるので、ズーミングの度に改めて計算し直す必要もない。ここぞというシャッターチャンスに集中できるというわけだ。また、自分が開放から何段絞っているのかも常に把握できるので、露出や被写界深度の調整も容易にできる。
13群17枚のレンズ構成は決して少ない枚数ではないが、ここまでコントラストの低下やフレアの発生が抑えられた画像を見せられると、「やはりナノクリスタルコートの威力はすごいなぁ」とただただ感心してしまう。もちろん、それらを完全に抑えきることは難しいが、あえてフレアやゴーストの出るような構図で撮影しても依然として心地良い描写で、ズームレンズであることを忘れてしまいそうだ。 色乗りは非常にしっかりとした印象で、実物よりも幾分鮮やかな発色になるようだ。夕焼けや紅葉などを撮影したらきっと素晴らしいだろう。
手ブレ補正機構が前モデルの「VR」からシャッタースピード約3~4段相当の補正効果を持つ「VR II」になり、通常撮影時に有効なノーマルモードと、走行中の車内などから撮影する時のブレを抑えるアクティブモードの二つから選択できるようになった。
本レンズは、前モデルのようにボディとセット販売されていないが、5倍のズーム比と開放F値が4の固定になったこと、そして物理的バランスを考えても、35mmフルサイズフォーマットのデジタルカメラボディにとてもフィットした常用ズームレンズと言えよう。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon D700 +Nikon AF-S 24-120mm F4G ED VR