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096:『SONY Cyber-shot RX1』

2012年11月22日

SONY DSC-RX1 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

今年はフルサイズデジタルに様々な新製品が登場しましたが、ある意味最もサプライズな要素の強かったのがこの『RX1』ではないでしょうか。『RX100』の姉妹機と言うにはあまりにも傑出した”フルサイズ・コンパクト”。マグネシウム合金製のボディに”ZEISS SonnarT* 35mm/f2.0″の大口径単焦点レンズを搭載したまさにハイエンドな1台。その描写にも大いに期待が持たれる所です。

まず手にした印象は「本当にこれでフルサイズなのか?」というものでした。片手ですっと扱える実にコンパクトなボディにレンズ鏡筒こそ大きく見えますが、それでもフルサイズで35mm/f2を実現したレンズとしては驚くほど小さいと言えるでしょう。露出補正ダイヤルを外部に配し、鏡筒に絞りを配したレイアウトも使いやすく、コンパクトさで操作性がスポイルされている事が無いのは嬉しいものです。

SONY DSC-RX1 絞り:F7.1 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

カールツァイス「ゾナーT*」レンズはピント面もシャープでトーンも美しい、専用設計だけあり実に優秀なレンズに仕上がっています。ピント面がシャープな分ボケも際立ちますから、どの絞りで撮影するか、どれ程ボケさせるのか、その選択をするのも撮影者の意図に任されると言えるでしょう。

SONY DSC-RX1 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

“フルサイズ機を使っている感覚が無い”と言えば語弊があるかもしれませんが、細かく気を使い撮影をする難しさが驚くほど無いカメラです。「コンパクトだから、フルサイズだから、これ位は仕方が無いだろう」と言った妥協は微塵も感じられず、ついつい撮影枚数がかさんでしまいます。今回の試写でも手ぶれやピントを外したカットが少なく、使えるカットが多く撮影できました。これはシャッターのタイムラグやレスポンス、ホールディングや高感度耐性など様々な要素が絡む物ですが、数値にはなかなか現れないボディのポテンシャルが実に高い1台という印象です。

SONY DSC-RX1 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

SONY DSC-RX1 絞り:F2.5 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

JPG画像そのままですが、陰影表現の上手いカメラです。開放の明るさから立体感もあり、何気ない被写体もしっかりと存在感を伝えてきます。

SONY DSC-RX1 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

AFも静粛で、ピントの山がつかみ易いのはマニュアルフォーカス時にも役立ってくれるもの。グラスの氷の、その中に走った細かな亀裂まで美しく捉えています。

SONY DSC-RX1 絞り:F11 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

JPG画像の初期設定ではコントラストが高めですが、RAWデータで見ると暗部の諧調も実にしっかりと掬っています。真逆光でもこのレベルのフレアですから、逆光にも強いと言えるでしょう。

SONY DSC-RX1 絞り:F2.0 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX1

改めて見ても、このサイズのカメラでこの完成度は素晴しい物です。『RX1』の発表当初はこれでレンズ交換式にしてくれればと思ったものですが、専用設計にした故のこのレスポンスの良さ、完成度の高さには素直に納得してしまいました。

Photo by MAP CAMERA Staff

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