先日人気の大口径ズームレンズ「EF24-70mm F2.8L IS USM」を10年ぶりにリニューアルしたキヤノンから、同じ焦点距離の新製品「EF24-70mm F4L IS USM」がリリースされました。
このニュースを最初に聞いたときは、なぜ同じ焦点距離のレンズを続けて出すのだろう?と疑問に思いましたが、さらに小型軽量化されたレンズを見て、なるほど「EOS 6D」にベストマッチなレンズだと納得しました。
約25%も軽量化されたレンズはさらにフットワーク良く撮影をサポートしてくれます。
開放F値が4に抑えられたものの高感度に対応したデジタルカメラが主流の現在なら、光量が足りなくて困るということも少なく、軽量になった方の恩恵のが大きいのではとも思えます。
アクリルの椅子は透明感が強く、AFによるピント合わせを苦手とすることが多いのですが、最新カメラの優れたセンサーとの組み合わせなら素早く反応してくれます。
高いコントラストでシャープな描写は壁の質感や瓦の細かい模様もしっかり捉えています。道沿いに続く奥行き感やボケも美しく高い光学性能が伺えます。
このレンズのもう1つの魅力、マクロ撮影機能も見逃せません。マクロ切替レバーを操作することによって、ズームリングが70mm側からさらにマクロ領域へ移行します。
スペック上最短撮影距離20cmとありますが、レンズ前面から被写体までのワーキングディスタンスは3〜4cmほど。コンパクトデジタルカメラかと思わせる驚異の接写能力は、ファインダー内に気を取られていると危うく被写体にぶつかりそうになります。フードがバンパー的な役割も果たしてくれました。
「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」にしか搭載されていなかったハイブリッドISも搭載。2つのブレを同時に補正するマクロアシスト機能は室内での接写時などで威力を発揮してくれます。
標準ズームとは思えない驚愕の接写性能は、質感描写の素晴らしさに加え、美しいボケの中に芯のある力強い解像力で被写体をハッキリ浮かび上がらせてくれました。
広角端でも歪みの少ない綺麗な直線を描いています。ガラス越しにも関わらず手前から奧まで素晴らしく解像しています。モヤのかかった曇り空の空気感はもちろん、師走の寒さも伝わってきます。
撮影中に突然降りだした雨も、防塵・防滴性の高い構造でカバー。この軽くて小さなレンズによくもこれだけの高機能を詰め込んだものだと関心します。
今回は「EOS 5D Mark III」での撮影になりました。その小型軽量さから一見「EOS 6D」用と思われがちですが、Lレンズの名に恥じない優れた描写力と軽量ながら高級感ある質感でどのカメラにもベストマッチしします。
ボディを選ばず優れた性能を発揮する「EF24-70mm F4L IS USM」は撮影中はもちろん、撮影後の疲労感も軽くしてくれる魅力あるレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Canon EOS 5D Mark III +EF24-70mm F4L IS USM