ミラーレス一眼カメラ専用レンズ シグマ「30mm F2.8 DN」は、ソニー NEXシリーズ用は35mm判換算約45mm、マイクロフォーサーズ用は35mm判換算約60mm相当の単焦点標準レンズとなる。本レンズをソニーのミラーレス一眼カメラNEX-7で使用している。
さて、35mm判換算約45mmという焦点距離は風景撮影には画角が狭く、望遠撮影には画角が広すぎる、そんな焦点距離でもある。ズームレンズを使っている方は広角端・望遠端は多用するが中間となるこの焦点距離を意識して使用することは少ないのではないだろうか。
実は、この画角は慣れてくると非常に使いやすい。慣れるためのコツとして、撮りたいものをクローズアップすること、もっと簡単に言えば日常生活で目の前にあるものを撮ることを意識すると良い。
まずは自分の手が届く範囲の距離感、これさえ掴めればこの焦点距離は克服したようなもの。あとは構図と絞りでイメージを写真にするだけだ。何をイメージして何を伝えたいのか、シンプルに響く写真が撮れる筈だ。
シグマ 30mm F2.8 DNは広角レンズのような万能さはないものの、こうした自分の身の回りの事柄を切り取るレンズとして使えるようになれば撮影をもっと楽しめるだろう。日常・家族・友人をちょうど良い距離感で写すことができるので、広角レンズよりもこのレンズが魅力的に感じる人もいるのではないだろうか。
レンズは作家性を表現するペンのようなものなので、自分にあったレンズを見つけるのも写真の楽しみの一つだ。
広角でもなく、望遠でもないそれを個性とする方法としてシンプルに空間を切り出す方法がある。まさにこのレンズの真骨頂でもある。撮影に力が入ってしまう一眼レフカメラとは違い、背面モニターを見ながらラフに撮影できるミラーレス一眼カメラなら気軽にチャレンジできる点も良い。
どこで撮った、どんな所で撮ったかが説明的ではなく、写真からじわじわ伝わってくる不思議な画角でもある。
単焦点レンズの醍醐味は絞りのコントロールでもある。シグマ 30mm F2.8 DNなら被写体との距離によるボケのコントロールがわかりやすく、写真表現を実感するにはちょうど良い。写真を本格的に始めたいと思っている人の入門用の単焦点レンズとしてもオススメだ。
30mm F2.8 DNのオートフォーカスは無音で動作するリニアモーターが搭載されており、静かにピタッとフォーカスが決まる。もちろんシンプルなデザインの幅広いフォーカスリングでマニュアルフォーカスも使いやすい。
焦点距離は普段使うレンズとして使いやすく、いつもカメラを鞄の中に入れて持ち歩きたくなるレンズだ。
Photo by MAP CAMERA Staff