最初にこのレンズを見た時は驚きました、Zeissの言わずと知れた銘レンズ”Planar”が何とミラーレスで、しかもAFまでしっかりと作動すると言うのですから期待しない訳には行きません。同じくTouitラインとして超広角の”Touit 12mm/f2.8″も登場、Zeissレンズの新ミラーレスレンズ群を撮影して参りました!
まずは近接領域で、この描写を見た時はため息が出てしまいましたが、さすがZeissと言う所でしょうか。発色や被写体のまろやかなボケ味まで実に美しいものです。Zeissの”Planar”と言うとその柔らかなボケと被写体の柔らかな曲線まで映し出すトーンの美しさが印象的なレンズのイメージですが、まさにミラーレス時代の新生”Planar”もその味をしっかりと残しています。
ピントピークの被写体の立ち上がりの良さ、後ろボケの柔らかさに御注目下さい。背景の煩雑な被写体ですが、このなだらかなボケ味は特筆に値します。
遠景の被写体でも、そのトーンの美しさは健在です。建物のガラスや柱の質感描写は驚くほどですから、柔らかな被写体やトーンと美しさを重視したい被写体には最適と言えるのではないでしょうか。
また、絞りバネは美しい円形状を保つ9枚。点光源ではもちろんですが、それ以外のシチュエーションでも背景ボケに大きく影響するポイントです。
色再現も、時代を経た被写体の雰囲気までしっかりと写し込む様な描写です。
当初、AFが内蔵されると言う事でそのスピードや動作はどうなのだろうと思っていましたが、マクロ域でもしっかりとピントを捉えます。フォーカススピードも俊敏で、撮影でストレスを感じる事は無いでしょう!
硬質な被写体は硬質に、それでもその描写は緻密で質感を伴ったものです。
しかし、ガラスや水面、植物や動物の毛並みなどの流麗な被写体は本当に美しく描写してくれます。つるりとした手触りまで感じられそうなこの描写は”Touit 32mm/f1.8″の個性でしょう。
大口径ですが比較的コンパクトな仕上がりです。ラバーを用いた近代的なデザインですが”X-E1″にも良くマッチしていますね。XマウントとEマウントでは鏡筒の根元の絞りリングの有無が外観上の大きな違いです。王道の大口径単焦点、Fujifilm純正レンズとはひと味違った描写は銘玉”Planar”の名に恥じない素晴しいものでした!
Photo by MAP CAMERA Staff