SIGMAよりContemporaryシリーズ『C 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM』が新しくラインアップされました。
高倍率ズームレンズは近年描写力の進化が目覚ましく、APS-C機ユーザーから絶大な支持を得ているジャンルです。その理由はコンパクトながら広角から超望遠まで1本のレンズで撮影ができ、本レンズも35mm判換算で約28~450mmまでカバーできます。 「レンズの画質水準を刷新する」と謳う実力はいかに。さっそく試写へ向かいました
1枚目、2枚目共に発色・コントラストも良好な描写です。秋を感じさせる葉の赤も、気持ちのいい青空も本レンズでは美しく写真に残す事ができます。
撮影で外に出かけた際、とっさに望遠が効くレンズというのは大変便利です。木の実をついばむ野鳥も300mm側で捉える事が出来ました。
バイクのタンクに美しく反射する空と金属の光沢感が見事に表現されている1枚です。
高速シャッターで吹き上げる水の柱を撮影しました。気泡の一つ一つまで見える高い解像力です。
本レンズの望遠側は高倍率ズームとは思えないくらいクリアな描写性能です。キラキラと輝く水面と背景のコンテナ船との明度を対比させるように撮影しました。
船体に反射する夕日の微妙な色合いも再現してくれました。
本レンズの最短撮影距離は39cmです。望遠側で撮影すればF6.3ながら美しいボケを生かした撮影も可能です。
最も目を見張ったのがこの写真です。本当に高倍率ズームで撮影したのかと疑うほどの描写力で、ビルの最上部まで線が潰れずシャープに写し出されています。
夕日に照らされて回る観覧車。条件を選ばずクリアな写真を撮る事ができるレンズです。
本レンズに内蔵された手ぶれ補正OS機構は約3.5段分の効き目があり、低速シャッターを必要とするシーンでは大きく力を発揮してくれます。
東京タワー上部を最大望遠で撮影。鉄骨の一本一本まで写し出す本レンズの実力は非常に高いものだと感じました。
今回『C 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM』に合わせ、新たなクローズアップレンズ『AML72-01』も発売されました。 もともと最大倍率1:3という近接撮影に強い本レンズですが、この『AML72-01』を装着すると撮影倍率を1:2にすることができます。 これはハーフマクロとも呼ばれる倍率で高倍率ズームながら本格的なマクロ撮影も楽しむ事ができます。
まずは通常の倍率1:3での撮影。被写体には新発売された『SIGMA dp1 Quattro』を選びました。 レンズ枠には非常に細かなラインが入っており、それをどこまで再現してくれるか試してみました。 通常のままでも優秀なマクロ性能です。
続いてクローズアップレンズ『AML72-01』を装着し撮影しました。 撮影倍率が1:2まで上がったのはもちろんですが、驚きなのはその描写性能です。ピント面の解像力は非常に高く、ボケ味も自然でクローズアップレンズを使用しているとは思えない写り味です。
撮影を終えて率直に思った事は、私が使用した高倍率ズームレンズの中でここまで写るレンズは初めてでした。 よく「便利ズーム」という言葉で例えられますが、本レンズは便利という言葉を超えた描写性能で死角がないレンズのように感じます。 開放F値が3.5−6.3と決して明るいレンズではありません。しかし昼間の撮影で被写体をシャープに写したいという事なら本レンズはシーンを選ばず活躍してくれることでしょう。 SIGMAの技術力に改めて感心してしまった1本でした。
Photo by MAP CAMERA Staff