4/3型の大型イメージセンサーを搭載するコンパクトデジタルカメラ パナソニック『LUMIX LX100』が登場した。以前は1/2.3型や1/1.7型といったコンパクトデジタルカメラのサイズに合ったセンサーが使われてきていたが、今や1インチやAPS-Cサイズそして35mm版のフルサイズと様々なセンサーサイズのコンパクトデジタルカメラが登場し、今やコンパクトデジタルカメラはセンサーサイズ戦国時代の様相を呈する。
そんなセンサーサイズ戦国時代に、パナソニックはマイクロフォーサーズ一眼でお馴染みの4/3型の大型イメージセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラを投入してきた。このLX100の良さは何なのかを探ってみたいと思う。
ダイヤルとメカスイッチによるアナログ式の操作形態のクラシックスタイルなLX100は、4/3型のセンサーサイズのバランスから大きすぎず・小さすぎない持つ楽しさが味わえる絶妙なサイズだ。ダイヤルの大きさや視認性もしっかりと確保されており、使い勝手が良い。
露出操作は、絞りリングとシャッタースピードダイヤルの組み合わせによるもので、どちらも「A」ポジションにすればプログラムオート、どちらかを変更すればそれぞれの優先オートモードになる分かりやすいシステムを採用している。初心者でも使いやすいよう「iA(インテリジェントオート)」ボタンが用意されているので、逆光や風景など露出と色合いなど最適な結果を簡単に得ることができる。気軽に撮りたい場合などiAモードにしておくと失敗のない綺麗な写真が撮れることがわかった。
iAボタンだけではなく、「FILTER」ボタンなど撮影に直接関係ある操作系がメニューではなく表に出ているのが、使う側の気持ちをよく考えているなと感じるポイントだ。
露出のアナログ操作の他に、嬉しい機能がマルチアスペクト変更機能がある。LUMIX LXシリーズではお馴染みのアスペクト切り替えスイッチがLX100にも搭載されていることが特徴で、被写体をみてイマジネーションが沸いたらダイレクトにアスペクト比を変更できるのがいい。
しかも、アスペクト比の変更は画角を変えることなく行える(※1:1のアスペクト比はトリミングとなるため画角は異なる)ことも重要なポイントだ。
LX100の素晴らしさは、使いやすいアナログ操作だけではない。レンズはLEICA DC VARIO-SUMMILUX F1.7-2.8/24-75mm。35mm判換算24-75mmのVARIO-SUMMILUXはF1.7-2.8の大口径タイプながらコンパクトなボディーに収まっている。最短撮影距離は広角で3cm、望遠でも30cmまで寄ることができるのも使い勝手が良い。
細部まで描き出すレンズの描写力と周辺まで均一な画質はワンランク上のコンパクトデジタルカメラであると感じさせられた。このレンズと4/3型イメージセンサーの素晴らしい組み合わせをさらに良くしているのが、高速オートフォーカス機能だ。マイクロフォーサーズ一眼で培った技術が惜しみなく投入されており、シャッターボタンを半押しすると瞬時にピントが合うのだ。これは大型イメージセンサーを搭載するコンパクトデジタルカメラの中でもトップクラスなのではないだろうか。
見やすい電子ビューファインダー(EVF)も搭載されているので、フィルムカメラのような撮影スタイルも可能な点も嬉しいところだ。アナログ操作とずっと変わらない撮影方法がLX100のコンセプトとして貫かれてる。とはいえ懐古主義のカメラなのではなく、最先端の4K(3840×2160ドット)の動画撮影や、4K動画の良さを生かしたパナソニック独自の「4Kフォト」も搭載されている。4Kフォトは約800万画素相当の4K動画から最高の一瞬を切り出すことができる機能で、連写だけでは撮れなかった最高の瞬間に出会える素晴らしい機能だ。
単なる秒間30コマの動画を切り出すのではなく、被写体ブレを抑えた高速シャッターによって記録された動画の一コマなので写真としてのクオリティーを持ち合わせている。さらにアスペクト切り替えに対応しているので、1:1や3:2といった4Kフォトの撮影が可能となっている点もLX100の魅力の一つだ。
LX100はサブカメラではなくメインとして使える実力をもつ隙のないコンパクトデジタルカメラであると感じた。機動性の良さと応用力、そして画質それぞれ満足度が高く、長く付き合っていきたいと感じること間違いなしの一台だ。
Photo by MAP CAMERA Staff