ペンタックスから超広角から望遠まで幅広くカバーする高性能ズームレンズ「HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR」が発売されました。
すでに標準域をカバーするズームレンズはスターレンズの「DA*16-50mm」を筆頭に「DA18-55mm」と「DA17-70mm」が。さらに高倍率ズームも含めると「DA18-135mm」と「DA18-270mm」も加わり、ラインナップはかなり充実しています。
はたして群雄割拠と化した標準ズーム群に新星として輝くことができるのか?早速撮影に出掛けてきました。
最初の印象はさすが最新レンズ。期待どおりの綺麗な描写です。
他のレンズと比べると少し重さを感じる約488gですが、その分造りの良さも感じます。
ズーム操作で大きく伸びる構造上、ズームリングは少し重め。しかし指掛の良い幅広リングのおかげで操作感は良好です。またレンズ根元側、丁度薬指の辺りに切り替え無しで操作できるピントリングがあり、こちらの操作感も快適です。
高性能非球面レンズや特殊低分散ガラスなど、最新光学設計を贅沢に使ったレンズ構成で、コントラストの高いクリアな描写を実現したとの事。
なるほど。淡い色の花弁が重なるあう菊の花でも、花弁1つ1つにしっかりと立体感が際立ちます。
最新のLimitedレンズと同様に施された「HDコーテイング」で逆光耐性の向上も特徴の1つです。
太陽光を直接取り込んでも明暗の差がはっきり伝わる高コントラストな描写を見せてくれました。
葉脈の様子もしっかり確認できる高い解像感から、高画素のデジタルカメラに対応したハイスペックレンズだというのが分かります。
16mmから始まるダイナミックな画角がとても爽快です。
18mmからスタートする他のズームレンズとの僅か2mm差もAPS-C機では1.5倍。この差は結構大きく感じます。
太陽の低い秋冬では光の入り方に注意が必要ですが、レンズ側でもサポートしてくれる安心感があります。
キズや汚れに強いSPコーティングと防滴構造なので、強風や水濡れを心配せず撮影に集中できます。
せっかくの優れた逆光耐性ですからフィルターなど使用せず、素の描写を楽しみたくなるレンズです。
最短撮影距離は35cm。散歩中にふと見つけた物を撮影するには申し分有りません。
日陰で潰れた様に見える部分も、拡大すると細部まで質感をしっかり捉えているのが分かります。
メリハリの少ない被写体でも、ペンタックスらしい美しい色乗りで見たままの景色を忠実に再現してくれました。
開放F値がズーム域によって変化する標準ズームは、セット販売されるキットレンズ的なイメージが強いですが、優れた光学性能と堅牢な造りの良さから使うカメラを選ばない万能さを感じます。
モデルチェンジの早いデジタル機材の中でも、十分永く使える。そんな安心感もあるレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff