美しい描写で多くの写真家を魅了し続けてきたツァイスレンズ。その中でもワイドな画角と大きなボケ味の両立を可能にした「Distagon」レンズは特段の存在です。
その「Distagon」銘のレンズが、ついにSONY Eマウントレンズに登場しました。『Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA』は、Eマウントレンズでは初となる開放F1.4のレンズとしても注目を集めています。
α7シリーズの35mmフルサイズセンサーと織りなす実力はいかに。さっそく撮影に出掛けてきました。
広角でのディテールはさすがの一言です。画面全域でシャープでコントラストの高い描写を披露してくれました。
レンガ壁の凹凸や屋根の装飾まで、細部までしっかり解像しているのがわかります。所々に落ちる陰影も素晴らしく透明感の高い描写であることが伝わります。
生け垣越しにチルト液晶を使ったハイアングル撮影でしたが、優れたオートフォーカスのおかげでほぼカメラ任せに撮影できました。
憧れのツァイスレンズがオートフォーカスで楽しめるのはSONYの特権。とても頼もしい機能です。
最短撮影距離は30cm。とても薄いピント面で大きなボケ味を楽しむ事ができます。
紫君子蘭にギリギリまで寄って撮影。密集する花が飛び出すような立体感と溶ける様なボケ味は、まるで花火の様な美しさです。
優秀なAF機能搭載ですが、マクロ的な撮影を楽しむ時は大きなピントリングが役立ちます。
神社の軒下、盛夏の強い日差しと薄暗い社殿内が混在する明暗差の大きなシーンでも被写体の質感を忠実に再現しています。
フリーマーケットでは、古い薬瓶を花瓶として並べているお店を発見。
薬瓶の年代感に加え、弱い逆光と優しいボケ味からは小さな植物の生命力の強さが伝わります。
少し意地悪な太陽を入れての撮影でも、T*コーティングの性能の高さを感じるフレア・ゴーストを感じない色再現性に優れた描写を見せてくれました。
前後とも自然で柔らかいボケ味が楽しめます。
広い場所に細かな被写体が混在するシーンでは高い解像力が再確認できます。
先日発表された4240万画素の「α7RII」との組み合わせが楽しみです。
周辺部まで均一に切り撮る高い光学性能は、広角レンズの開放感をより広げてくれます。
奥行き感ある大きなボケ味は、スポットライトの様にピンポイントを引き立てます。
結婚式が始まる直前の神社は厳かの雰囲気に包まれています。そんな静けさも切り撮ってくれました。
早いオートフォーカスは動画撮影にも配慮された静音設計で撮影者の気配を消すのにも一役買ってくれます。
スナップ撮影に最適な35mmレンズは常に携帯しておきたい1本です。実際にボディに装着してみると一見アンバランスに見える大きさですが、他の一眼レフ用の同スペックCarlZeiss ZF/ZEレンズと比べると2割以上軽く、本レンズがいかに軽量化されているかが分かります。しかもオートフォーカス付きのDistagon35mm F1.4レンズは過去をひも解いても本レンズだけですから、それだけでも貴重なレンズと言えます。 もちろん描写性能は折り紙付き。最高峰の光学技術を誇るツァイスとソニーの最新技術が融合された極上のレンズをぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff