468:『Carl Zeiss Loxia 25mm F2.4』
2018年03月05日
Carl Zeiss Loxia 25mm F2.4
ソニーのミラーレスカメラ用のMFレンズとして人気を集めるカールツァイスLoxiaレンズに新たなラインナップが加わりました。
シリーズ5本目となる『Loxia 25mm F2.4』はこれまでのレンズ同様、コンパクトで使いやすいレンズです。
Eマウントのカールツァイスレンズと言えば、オートフォーカスレンズのBatisシリーズにも同じDistagon設計の25mmレンズがリリースされています。開放F値こそ異なりますが、同じメーカーの同じ焦点距離のレンズと聞けば、どうしても比較したくなるものです。早速、新レンズを試してみました。
何度も訪れている東京駅の丸の内駅舎。正面広場の工事が終了し、より広く撮影ができるようになりました。芝生の広場からローアングルで駅舎を狙います。電子接点を有するLoxiaレンズは、カメラ側の「MFアシスト」機能に反応し、ピントリングを動かすと自動で拡大表示されるので、チルト液晶を活用すれば、このようなアングルでも簡単にピントを合わせることができます。
見上げることで広角レンズらしいパースが生じつつも、綺麗な直線で細かなディテールをしっかり捉えてくれました。
明るい広角レンズは室内撮影にも重宝します。大きな窓から明るい日差しが差し込む逆光状態でしたが、柱に飾られた短冊と椿の花を綺麗に捉えることができました。
最短撮影距離は25cm。丁度目線の高さにあった梅の花に近づいてシャッターを切りました。マニュアルフォーカスでゆっくりと距離を詰めていくとボケの変化も楽しめます。AFレンズでは味わえない大きな魅力ではないでしょうか。
本レンズの最大の魅力は、高品位な金属外装にも関わらず393gという軽量でコンパクトなところです。小型・軽量が魅力なミラーレスカメラも高画素化と多彩な機能が追加されるにつれ、徐々に大きさを増してきました。同様にレンズもより高い描写性能を求め大型化傾向にあります。そこに登場したシンプルな軽量レンズは、本来のコンセプトに沿ったブレないレンズと言えます。長時間持ち歩いても疲れないので、写真もブレません。
平日でもたくさんに人で賑わう築地市場。小型軽量なシステムのおかげで、人の波に押し流されながらもサッと撮影が楽しめます。
天日に干されていた銀杏。上の方から徐々に乾燥していく様子も見てとれます。
水上バスに乗って対岸の台場を目指します。揺れる船上。手すりに掴まりながらの撮影でも、機材のコンパクトさを重宝しました。
レインボーブリッジに差し掛かると丁度太陽が頭上に。遮るもののない厳しい光線下でしたが、クリアに橋を捉えました。空のグラデーションも綺麗です。
ツァイスレンズらしい、コントラストの高い描写は青空とカラフルな観覧車を色鮮やかに捉えてくれます。鉄骨の細かな部分も見てとれ、高解像に対応した優れた画像性能が確認できます。
瞳AFなど、カメラ側のAFの進化が著しいソニーのミラーレスカメラシリーズ。そのカメラの優れた機能をあえて使わないのは、少々もったいない気もしますが、マニュアルレンズならではの楽しみもあるので、ぜひ一度お試しください。マニュアルフォーカス用に作られているので、その操作性は抜群。体の一部のようにスムーズな操作が可能です。小型・軽量によるメリットから持ち出す機会が増えれば、きっと手放せない1本になるはずです。
Photo by MAP CAMERA Staff
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