CanonEOS RP
キヤノンから第二のフルサイズミラーレス一眼カメラ『EOS RP』の登場です。
ソニーやニコン、そしてまもなく発売されるパナソニックもフルサイズミラーレス機のスタートは、ほぼ同じデザインの筐体に画素数の異なる2モデルを同時発表というスタイルでした。一方キヤノンはまず、オンリーワンとなる「EOS R」販売後、さらなる小型・軽量化を追求し、新デザインで「EOS RP」を送り出してきました。
小型・軽量がセールスポイントであるミラーレスカメラ機ですが、最近では一眼レフと大差ないサイズのカメラも見られるようになり、ミラーレスのメリットが薄れつつあると感じていただけに、「EOS R」と比べ約175gも軽くなった新ボディはとても魅力的に感じます。もちろん、小型化されていもグリップ部は肉厚のしっかりとした造りで持ちやすく、多少大きめのEFレンズを装着しても使いにくさはありません。
まずは、近所の河川敷に咲いた河津桜にトライしました。
頭上の枝にカメラを目一杯近づけての近接撮影には、タッチ操作可能なバリアングル液晶モニターが重宝します。撮影した日は生憎の空模様。少し肌寒い空気感と瑞々しい花の質感を綺麗に捉えてくれました。
便利なタッチ液晶はファインダーを覗きながら操作することで、AFポイントを移動させることができます。これがかなり便利で、一眼レフカメラに搭載されている”マルチコントローラー”を操作している感覚でピント位置を調整できます。写真のように手前から奥まで花が埋め尽くすシーンでも迷わず、すぐに撮影できました。
ミドルクラスにカテゴリーされる「EOS RP」は、ハイアマチュア向けの「EOS R」と比べ、抑えられた価格が魅力です。
性能面でも高画質な画像に仕上げる画像処理エンジンに、EOS Rと同じ”DIGIC 8″が採用されるなど、多くの機能が移植されており、コストパフォーマンスの高さも嬉しいポイントです。
画素数は2620万画素に抑えられましたが、被写体の細部まで緻密に描写します。ガラス張りの室内は、外の天気の影響を受け薄暗くなっていたため、露出を上げ撮影しましたが、白い鉄骨のトーンは失われず豊かな階調性が確認できました。
コンパクトな機材に合わせ「EOS RP」キットレンズには「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」が採用されました。バランスの取れた万能レンズということで、既に”Kasyapa”でも紹介のレンズですが、改めて小型ボディにマッチした使いやすさを感じることができます。
暗い場所でのピント合わせも得意とするAFも頼りになります。見やすい電子ビューファインダーとの組み合わせなら、スポットライト部分にピントを合わせても眩しくなく、グラデーションの具合を確認しながらシャッターを切ることができました。
各画素が撮像と位相差AFの両方を兼ねる「デュアルピクセルCMOS AF」とRFレンズの駆動制御を最適化したことにより、最速0.05秒の高速AFを実現しています。
橋の上から真下を通過する水上バスを狙ってみました。ゆっくり走る船かと思いきや、速いスピードにビックリ!それでもカメラはしっかりと捉えてくれました。
雨が強くなり、傘を差しながらの片手撮影でも、被写体をしっかり捉えることができました。扱いやすい軽量ボディに加え、約5段分(RF24-105mm F4L IS USM との組み合わせで)の補正効果を持つ手ブレ補正機能も頼りになります。
雨の日も防塵・防滴構造により、多少濡れても大丈夫という安心感で撮影に集中できます。
EOS史上最小フルサイズ
両国から隅田川沿いに東京駅方面へ。雨の日の撮影でしたが、快適なスナップ撮影ができたのは、この使いやすい大きさと軽さに尽きるでしょう。
スペック上「EOS R」と比べ画素数こそ抑えられていますが、階調や色再現は素晴らしく、写真全体で見れば上位モデルに劣らない綺麗な画質が得られます。決して下位モデルではなく、必要なものだけをよりスリムに収めたモデルという印象です。
唯一の筆者を悩ませたのがバッテリーで、ボディの小型化に合わせ小型化されたバッテリーの容量では、1日の撮影がギリギリ。旅行等、目一杯撮影を楽しむ場合には予備バッテリーのご準備をおすすめします。
ビジュアルガイドなど、撮影をサポートする機能も充実しており、初心者から上級者まで幅広い方におすすめできるモデルに仕上がっています。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff