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521:『Nikon NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S』

2019年04月20日

焦点距離:24mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

ニコンから待望の「Z マウントシステム」対応の大口径標準ズームレンズ『NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S』が登場しました。

注目は何と言っても、新次元の光学性能と謳うその画質ですが、手にして最初に驚くのはその小型軽量化された外観です。Fマウントの「AF-S 24-70mm F2.8E ED VR」と比べ約265gの軽量化は、レンズ単品を持っても、さほど驚きませんが、ボディと合わせるとよりその恩恵が実感できます。筆者はこれまで「Nikon D850」を使用していたため、ボディの重量差も加えると実に595gも軽量化されたことになります。普段身につけていた重りが外れたかのように身軽になった筆者は、普段より少し遠出してみました。

訪れたのは千葉の房総半島を走る小湊鐵道の沿線。以前、Fマウントの「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」のKasyapa撮影を行なった場所です。

前回は桜も菜の花も満開の季節でしたが、今回は少しシーズン遅れ。もう少し早く発売してくれれば…と少し残念な気分になったのは、それだけ新レンズが優秀と瞬時に感じられたからです。ファインダーを覗いた瞬間に感じるクリアな画像は驚愕の一言。EVFにより明るさが補正されていることを考慮しても、レンズ性能の高さが十分に伺えます。

菜の花畑を見下ろす丘の上から広い景色をいっぱいに捉えてみました。歪みなく周辺まで綺麗に解像しているのが分かります。

焦点距離:70mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

焦点距離:70mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

シーズン遅れとは言え、列車には多くの観光客の方が乗車していました。それでも運良く運転席後ろの席がキープできたので、前面展望を楽しみながら房総半島を南下します。途中駅で終わりかけの桜を発見。土埃で曇った運転席の窓越しの撮影でしたが、春の雰囲気を綺麗に切り取ってくれました。高いコントラストと解像力は、どんな条件下でもしっかり捉えてくれます。また、旧型車両の独特な揺れの中でもファインダー内は常に安定しており、高いブレ補正効果も確認できました。

焦点距離:70mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:250 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

列車の停車中、運転手さんが席を立った隙に運転台をパシャリ。狙った場所に一瞬で合焦するAFは流石の一言。ズームリング等のトルク感もよく手にした瞬間から手に馴染む使いやすさがありました。また、本レンズにはコントロールリングとは別にMFフォーカスリングが設けられているため、よりコントロールリングが自由に使えます。ボディのコマンドダイヤルと異なりクリック感の無いスムーズな回転により動画撮影時にも重宝します。

1961年から70年代にかけて製造された車両は、毎日通勤に利用している電車の運転台とは全くの別物。古いながらも大切に使用されている様子がしっかり伝わります。

焦点距離:69mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

単線区間を走る列車は行き違いの列車との衝突を防ぐため、その区間に入る「タブレット(通行証)」を受け取る必要があります。コンピュータ管理の最近ではほとんど見られなくなった光景です。こんな貴重なワンシーンも綺麗に捉えてくれました。画像を拡大するとそのタブレットが相当の年代物というのがよく分かります。

焦点距離:55mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

ソメイヨシノはほぼ終わってしまったものの、枝垂や山桜などが見頃を迎えていました。新レンズはマルチフォーカス方式により近接撮影での収差が抑えられたとのこと。早速、最短まで寄ってみました。

風に揺れる枝は、AF駆動をミクロ単位で制御するレンズには酷な環境下でしたが、必死に喰らいつく様子が確認できました。そして、薄い花びら1枚1枚、細かく描写します。さらにこの大きく綺麗なボケ味。さすが大三元レンズです。

焦点距離:36mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

場所を変え千葉県内の公園。こちらはチューリップが見頃を迎えており、色とりどりの花を鮮やかに捉えてくれました。これだけアグレッシブに動けるのも、軽量化されたシステムのおかげです。

焦点距離:39mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

雲の隙間からようやく姿を見せた青空。本当に気持ちの良い発色をします。そして風車外壁の木目までしっかり解像しています。

焦点距離:24mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

本レンズから新たな反射防止コート「アルネオコート」が採用。従来の「ナノクリスタルコート」との相乗効果で強い光源があっても抜けのよいクリアな画質が得られるとのこと。頭上の太陽を入れたカットでも暗部まで細かく描かれているのが分かります。フレアやゴーストも見られません。

焦点距離:24mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

焦点距離:24mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S

お弁当を食べていると、おすそ分けをねだる猫が寄ってきました。広角24mmでこの至近距離ですから食べ物の力は絶大です。逃げないのを良いことにギリギリまで寄ってみました。このピント面の薄さは凄いの一言です。ヒゲがボケの中に溶けていく様子がよく分かります。

高画質がより気軽に楽しく

新次元の光学性能を持つZシステムのフラッグシップレンズは期待以上の性能を披露してくれました。また新たに搭載された「レンズ情報パネル」が結構かっこいいのです。電源を入れた一瞬だけ表示される「NIKKOR」の文字。これ見たさに思わず何度も電源を入切してしまいました。ファインダー撮影派の筆者にはあまり縁のない機能ですが、ちょっと嬉しいポイントです。

これまでの高性能レンズは「大きくて重い」が定説でしたが、これを見事に打ち砕いてくれました。高画質撮影がより気軽に楽しくなるレンズの登場です。

Photo by MAP CAMERA Staff

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