SONYE 16-55mm F2.8 G
開放F値2.8通しの標準ズームレンズ。そう聞いてから当レンズを手にした時、その小ささと軽さに驚きました。重量はなんと494グラム。APS-C用とはいえ、大三元でこの軽さは魅力です。
そしてソニーのGレンズといえば、品質が約束されていることを意味します。ここで改めてGレンズの開発コンセプトである「3つのG」をご紹介しましょう。それは、「Grace(レンズ本体のデザインも描写性能も優美である)」、「Gather(集光力とそれによるボケとシャープの両立)」、「Gratify(期待と満足に応える)」。つまりGレンズとは、ソニーの光学テクノロジーの粋を極めた高品質レンズのことなのです。
携帯しやすく、かつ、高品質な当レンズを持って、クリスマスムードの街へ飛び出しました。
まず一枚目は、クリスマス当日の風景を閉じ込めたミニチュアの写真です。ひとつひとつ手で塗っているようで、温かみを感じます。賛美歌を歌う人、雪だるま作りを楽しむ子どもたち、おでかけする親子など、みんなクリスマスを楽しんでいて、どこに焦点を合わせるか迷ってしまいました。
青空にそびえる時計塔。尖った時計の針先やその陰に至るまで、非常にキリッとした写りで実に気持ちがいいです。本当にズームレンズなのかと疑いたくなるほど。ところで、時計の文字盤の4時の部分が「IIII」と記されていることにお気づきでしょうか。ご存じのとおり、アラビア数字の4はローマ数字で表すと通常「Ⅳ」です。理由は諸説あるようですが、時計においては「IIII」と表記することが多いそうです。
外国の街並みを再現した水路での撮影。赤いカバーがかかっていましたが、ゴンドラとわかるそのシルエットがひと際優美に目を惹きます。水面に映った橋といい、つい日本にいることを忘れてしまいそうになりました。
冬の代表的な花、シクラメン。青みがかったピンクがきれいに描写されています。開放で撮影し、脇役のアリッサムは少しボカしました。こうして冬でも咲いてくれる花があるおかげで、街が彩られ華やかになるのだなと感じます。
ショーウインドーにおしゃれな丸い缶が整然と並んでいました。どうやら中にはお茶が入っているらしく、各産地の地名が書かれています。この写真をご覧いただくとお分かりになるかと思いますが、絞り開放の望遠端で撮影しても四隅までしっかり解像し、大口径ズームで見られる周辺減光も目立たない優秀な描写です。
NOELとは、クリスマスの季節や歌のこと。兵隊さんにクリスマスとくれば、バレエの「くるみ割り人形」がモチーフだとピンときます。昼間に撮影しても十分かわいいデザインですが、夜に灯りがつきランプとして置かれているところもきっと素敵でしょう。F2.8の明るいレンズですから、夜の撮影もお手の物です。
空飛ぶサンタを開放で撮影しました。APS-Cですが対象物が小さいので合焦範囲が薄く、サンタの目にピントを合わせることに気を使いました。周囲がふんわりとボケて、ファンタジックな雰囲気に。
冬の青空と、ねこじゃらしと、少しの枯草の写真。乾いた空気まで写しとってくれました。ねこじゃらしは、英語ではフォックステイル・グラスと言います。きつねのしっぽのような草とは、言い得て妙です。
キリリとした描写の小型・軽量標準ズーム
結論から言いますと、よくばりな方におすすめのレンズです。まずは、何と言っても高精細な写りが目を引きます。開放F値2.8から得られる綺麗なボケも魅力。35mm換算で24-82.5mmという焦点距離もポイントだと思います。標準域の大三元は通常24-70mmなので、望遠が少し足りないと感じる場面で役に立ちます。さらに、500グラム足らずと軽くコンパクトで携帯性に優れるのですから、常用交換レンズとして文句なしではないでしょうか。風景やポートレートから日常のスナップまで、幅広く活躍してくれるレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff