SIGMAArt 24-70mm F2.8 DG DN
大口径ズームはメーカーの顔となる最高性能の1本。シグマのミラーレス専用“Artズーム”の第一弾となった「Art 14-24mm F2.8 DG DN」ではその信念をもとに、非常に高い解像感を実現しました。そして、第二弾となる「Art 24-70mm F2.8 DG DN」にもそれは受け継がれています。ショートフランジバックというミラーレス専用設計の優位性を活かすことで、ズーム全域において高い解像感を実現しつつも、小型軽量化に成功。さらに、最新のミラーレス機との互換性と、様々な撮影状況をアシストする機能が、プロ・ハイアマチュアの高い要求に応えます。今回は6100万画素のα7RⅣと組み合わせて撮影を行いました。本レンズの描写をご覧いただけたらと思います。
茨城県筑西市、小貝川の畔にある母子島遊水地を訪れました。茨城県のシンボル、筑波山の撮影地として大変有名で、水面に映る朝日や、筑波山山頂から昇る「ダイヤモンド筑波」を撮影することが可能です。この日は複雑な雲が織り成す空模様と水面への反射を楽しむことができました。
季節はずれに感じますが、一輪のバラが花を咲かせていました。その印象を強調するため日の丸構図でシャッターを切ります。花弁の淡いピンクと、白と黄、そして透けて見える部分の微妙な寒色。被写体から放たれる、色と言う名の光の反射をしっかりと捉え、センサーへ送り届けてくれるレンズです。また、ボケ味をうまく出したので開放F2.8で撮影したのですが、ふわっと滲むような滑らなボケ味に、思わず「…すごい」と、ため息が出ました。解像力だけではない、『Art 24-70mm F2.8 DG DN』の描写はボケ味を含め非常に高次元です。
上空から大都会の夜景を眺めたカット。夜の街に伸びる2本の筋は青山通りと六本木通り。そして遠くには赤く輝く東京タワーも見えています。手持ちで夜景撮影という状況だったため開放F2.8で撮影したのですが、シグマレンズらしいすっきりとしたキレのある描写です。
地上230mの空間は大都会の真ん中とは思えない程静寂に包まれています。街を行き交う車の音や電車の音は一切聞こえず、環境音は人が発する音だけです。瞑想したい時に訪れると良いかもしれません。
80年代SF映画の中にいるかのようなBarでのカット。お酒を頂きながら夜景を楽しむのもいいでしょう。この細かさでありながら、陳列された種類の銘柄やレコードのタイトルを鮮明に読み取ることが可能で、これはひとえに高解像ボディと高解像レンズの賜物です。
標準ズームの新たな選択肢
大三元レンズの中でも、最も期待と性能が求められる24-70mm F2.8というズームレンズ。一眼レフ用も含め、全てのメーカーが渾身の1本と呼べる高性能レンズを登場させています。今回の『Art 24-70mm F2.8 DG DN』は、シグマ初のミラーレス専用・大口径標準ズームとして注目が集まる中、期待以上のレンズとして登場してきました。解像性能やボケ味など描写力が素晴らしい上に、ハイコストパフォーマンス。ミラーレス時代の高性能ズームとして新たな選択肢となる事でしょう。今回はEマウントで撮影を行いましたが、Lマウント用なら『SIGMA fp』やLマウントアライアンスで協業している機種にも非常にオススメしたい1本です。シグマの本気を感じる素晴らしいレンズでした。
Photo by MAP CAMERA Staff