PENTAXHD D FA 70-210mm F4 ED SDM WR
ペンタックスの『HD D FA 70-210mm F4 ED SDM WR』をご紹介します。フルサイズ一眼対応の小型・軽量望遠レンズで、手にした第一印象は「細い!」でした。これはバッグの中で邪魔にならない細さです。そしてペンタックスの緑のラインが素敵です。焦点距離は70-210mm。APS-C機に着けると107-322mm相当になります。今回はフルサイズ機のK-1 Mark IIに着け、まずは動物園に行きました。
小川の近くにいたところ、ニホンリスがシュッと登場して、水を飲み始めました。水面にリスの顔が映っていたのですが、小さな口元から広がる波紋で歪みます。素早いリスにもすぐにピントが合いました。
1匹のリスが餌場でご飯を食べていたところ、もう1匹登ってきて、鉢合わせした瞬間の写真。
「居たの?」
「来たの?」
そんな会話をしているようで、面白い光景です。
満開の梅の花の手前にいる鶴を狙っていると、見せびらかすように羽を広げました。陽に当てたかったのでしょうか。白飛びしやすい状況でしたが、美しい羽が精細に描写されています。
胡蝶蘭を望遠マクロで撮影してみました。繊細な写りで、キラキラしたラメパウダーのようなものがあるのが見て取れます。
動物園を出て、海辺に移動しました。赤白煙突が海面に映り、4羽の海鳥が線対象にそれを挟んでいます。F7.1まで絞っていますから、対岸の様子もしっかりと写っています。
古い消防車の横腹にある計器類。走行ではなく、放水のためのものでしょう。見たことがないメーターが並んでいます。よくわからなくても魅力を感じてしまうのはなぜなのでしょうか。
ビキニ環礁で被爆した第五福竜丸のエンジンの一部分です。その質感や歴史的重みを表現するために、アンダー気味に撮影しました。
携帯性・合焦性能に優れた望遠ズーム
邪魔にならない細さと、素早くピントが合う点が気に入りました。ピント合わせに関しては、フォーカスレンジリミッターを搭載しており、フォーカスの駆動範囲を制限することで無駄な動作をカットし合焦速度を上げることができます。特に動物園での撮影において役に立ちました。
また開放F値が「F4 」ということで、ボケ味がやや物足りないのではと想像していた方もいるかと思いますが、撮り方によっては十分ボケ味を得られることがおわかりいただけたかと思います。このボケ味を活かしたポートレート、動物撮影はもちろんのこと風景まで、様々な撮影を万能にこなせる一本です。
Photo by MAP CAMERA Staff