カメラに携わる者の一つの憧れ、「70-200mm F2.8」の大三元望遠ズームレンズ。この度、ニコン Zマウントから待望の『NIKKOR Z 70-200mm F2.8 VR S』が発売となりました。新開発のSRレンズをはじめ、EDレンズ、非球面レンズ、蛍石レンズと、高い補正能力を実現する光学性能に優れた硝材の数々を惜しみなく投入し静止画、動画問わず高い描写性能を誇ります。さらに、NIKKORレンズ史上最高の5.5段階を発揮する手ブレ補正機構を搭載。食いつきの良い高機能AFやフレア、ゴースト耐性などまさに最高のマルチプレイヤーと呼ぶべき本レンズのレビューをご覧ください。
この日は日差しがとても強く外での撮影は心が折れる思いでしたが、いざ撮り始めると空の美しさに心奪われ、暑さは気にならなくなっていました。黄色のアトラクションが青空のバックの中に映え、気持ちの良い一枚です。『Nikon NIKKOR Z 70-200mm F2.8 VR S』の自然な色再現を感じて頂けるでしょうか。
F2.8の明るさを活かし開放で撮影したくなる気持ちをおさえ、F8まで絞り込んで撮影。鏡面加工された建造物の外壁を透明感のある反射まで鮮明に写しだしています。画面の半分に青空を、もう半分に人工の硬さを組み合わせてアンバランスさを楽しんでみました。
眩い日差しから守ってくれる日傘はこの時期には必需品でしょう。デザインも凝ったものが多く思わずカメラを向けたくなってしまいます。背景のアウトフォーカス部も非常に柔らかくボケていて夏の日のとあるひとコマ、季節感のある一枚になりました。
非常に緻密な細工、日本の職人の技が光る装飾。有名な浅草の「雷門」の大きな提灯の下部に施されたものです。正面から見ても圧倒されますが細かい部分に目を凝らすとさらに驚かされることもあるのです。周りを拡大して注視することで、今まで気付けなかった気魅力を発見することが出来るのです。
望遠レンズは被写体の一番魅力的な部分を贅沢に切り撮ることができます。金属製の建造物の艶やかなポイントにフォーカスを当て、シャドウ部分の諧調が素晴らしいことも確認できました。重量感のある描写、メタリック好きの筆者にはたまりません。
一日を通して雲が非常に印象的でした。夏の入道雲は時をして息を呑むような姿を見せてくれます。日も落ちかけたころ、夕日を受けて燃えるような雲のディテールをしっかり捉えることができました。
夜景の撮影時は『Nikon Z7』の高いブレ補正効果が活きてきます。『NIKKOR Z 70-200mm F2.8 VR S』との組み合わせでより強固になるので怖いもの知らずでしょう。地上約230mから見下ろす渋谷の街並みは光の多さに思わずため息が出てしまいます。絞り開放の持ち味も存分に発揮しています。
全てを任せられる相棒。
カメラを構え、ファインダーを覗いた時このレンズはどんな体験をさせてくれるんだろうという期待で胸の高まりが止まりませんでした。結果はもちろん大満足。撮影中に自分が欲した要求を軽々とこなし、思い通りの画作りを完璧にサポートしてくれました。軽量なボディにニコンの技術の粋を結集させ、高機能を詰め込んだ「Zマウントシステム」。次世代のミラーレスを代表する銘玉となった『NIKKOR Z 70-200mm F2.8 VR S』はニコンユーザーのみならず、全ての写真愛好家の頼れる相棒にふさわしい存在と言えるでしょう。同日発売の『Z5』も併せて、これからも勢いの止まらない「Z」から目が離せません。
Photo by MAP CAMERA Staff