2012年2月16日、ニコンから新たな大口径中望遠レンズが発売されました。「AF-S NIKKOR 85mm F1.8G」は35mmフルサイズ対応の焦点距離85mmの大口径単焦点レンズ。
ニコンは既に85mmの単焦点レンズを3本リリースしており、十分と思えるラインナップがさらに充実。単にAF 85mmF1.8Dの後継モデルと思われがちですが、光学設計から見直された新レンズは全くの別の商品に生まれ変わっていました。
まずは綺麗な円形ボケ。少し絞っても円形絞り採用のおかげで綺麗な円形を維持しています。
最短撮影距離も80cmまで短縮されました。大きく美しいボケは寄れば更に強烈な効果を生み出します。
絞り開放からクリアな描写は、木々の葉や欄干の質感がよく再現されており、見事な奥行き感も出しています。
強いて難点を上げれば、ナノクリスタルコートではないので逆光時に若干の苦手部分が見えたこと。それでも室内など光が安定している場所では驚くべき透明感で空気感を伝えています。
手にとって最初に驚いたのがその軽さです。AF85mmF1.8Dと比べ、レンズ構成でも6群6枚から9群9枚と1.5倍にもなったのにも関わらず、30gものダイエットに成功しました。超音波モーター内蔵でどのデジタル一眼カメラでも使えるのは嬉しいもの。D5100やD3100でのベストマッチはもちろん、アダプターを介してNikon 1シリーズでも使ったら面白いだろうと思わせるレンズでした。太く持ちやすくなった鏡筒と梨地仕上げの高級感ある仕上げはフラッグシップボディに合わせても見劣りしません。
85mmの四代目は全てのフォーマットに愛されるレンズになりそうです。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:Nikon D700 + AF-S 85mm F1.8G