レンズとレンズに最適化された撮像素子と画像処理エンジンをユニット化することで、レンズ本来の性能を最大限に引き出す「RICOH GXR」に新しいレンズユニットが仲間入りしました。
「RICOH LENS A16 24-85mmF3.5-5.5 」は、これまでに発売されたユニットの中でも最高画素数を誇る1620万画素。APS-Cサイズの大型センサーということもあり、さすがの解像力です。
大型センサーを搭載したカメラユニットは想像以上に大きく、スタイリッシュなGXRには少々アンバランス。装着した姿はネオ一眼シリーズかと思わせる外観です。でも実際に手にとってみると驚くほど軽く、そして本体との絶妙なウエイトバランスからとても持ちやすい形に収まっていました。高解像度で手ブレ補正機能が無いことから、多少のブレは覚悟していましたがこの持ちやすさから、しっかりとしたホールディングが可能になり、また静かなレンズシャッター機能のおかげで安定した撮影が可能になっています。
とにかく驚くのは優れた解像力。解像感を優先させたと思われローパスフィルターレスから再現される画像は隅々までクリアーでシャープです。
物の質感や空気感はもちろん、細部まで再現された細かな描写は肉眼では見えなかった模様や凹凸などを鮮明に写しだしています。
レンズに最適化されたセンサーは色の再現性も素晴らしく、撮影時の光の様子を忠実に再現してくれました。
余裕のある大きなセンサーはISO1600の設定でもノイス感はなく、明部と暗部も自然に再現されています。
ボケは綺麗な円形をしているもののコントラストが高めの影響か、少々うるさく感じます。重なり合う独特なボケは使い方を選びそうです。
唯一残念だったのが最短撮影距離が25cmと他のユニットに比べ接写に弱いことと。GXR本体には専用のマクロボタンが最初から用意されているほど、接写に強いイメージがあっただけに尚更でした。とは言え、これだけ高い解像力を見せつけられては贅沢というもの。一方で、ほぼ同じ画角をサポートする「S10 24-72mmF2.5-4.4 VC」レンズユニットは1cmからのクローズアップ撮影に自然なボケと見事な棲み分けとなっています。
撮影用途に合わせてバリエーションが広がったレンズユニットの登場で、より自分の感性に合ったパートナーが選択でるようになりました。
Photo by MAP CAMERA Staff
使用機材:RICOH GXR + RICOH LENS A16 24-85mmF3.5-5.5