Carl Zeiss、世界屈指の光学メーカーであり、SONYαシリーズのハイエンドラインナップに使用されているブランドですが、その差はどれ程のものなのか。今回『Vario-Sonnar T* DT 16-80 mm 』を使用するに当たってはあまり意識していませんでしたが、その仕上がりは驚くべきもの。緻密な描写と濃厚な発色、トーンや画面の立体感はこれだけの高倍率ズームにして驚くほどの高いレベル。若干の周辺減光はあるようですが気になるレベルではなく、金属の冷たい質感も良く表現しています。さすがはZeiss、なのか。他の写真もご覧いただければと思います。
発色のヌケの良さ、ガラス面のトーンの美しさ。隅まで破綻なく、甘くなりもしない素晴らしい性能です。
前ボケ、後ろボケも素直で美しく積極的に使用できるものです。カリッと香ばしいパンの質感と、小麦粉の柔らかさ、香りまでしてくる様です。
T*コーティングのおかげか、逆光への強さも特筆ものです。このカットも強烈な西日をまともに捉えていますが、コントラストの低下を微塵も感じさせず、暗部まで明瞭に描写。露出を抑えたために「若干強い日差し」程度にしか感じません。
強烈な日差しと、照らし出されるビル群。初夏の強烈な日差しに強い陰影を刻む都市部の雰囲気を破綻なく捉えてくれました。「Angel’s Ladder」とも呼ばれる雲の織り成す微妙な陰影もしっかり描写。ズーム倍率も高く、描写性能も素晴らしい。サイズも他のZeissレンズと比べてコンパクトに収まっており、常用の1本として非常にお勧めできるレンズに仕上がっています!
「さすがはZeiss」でしょう。高倍率のズームレンズではどうしても倍率優先になり、単焦点レンズと比べて描写に甘さや妥協を強いられるケースが少なくありませんが、このレンズはそうした点があまり見つけられない、αシリーズのユーザーの方にはお勧めの非常に優秀なレンズです。旅行などでの任せる1本、もしくは何かの時の1本に、間違いのないチョイスとなるレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff