使い勝手の良いズームレンズがEマウントに追加されました。発売済みであった『SEL18200』は以前リポートしましたが、今回後継モデルとして発売された本レンズ『SEL18200LE 』はそのズーム比はそのままに、サイズをコンパクトにした小型モデル。小型なNEXシリーズに『SEL18200』を装着するとレンズ下面でボディを支える形になってしまっていましたが、今回の『SEL18200LE 』はNEXシリーズにフィットするちょうど良いサイズ。前モデルは描写力の高さと”光学約11倍”という高いズーム比が魅力のレンズでしたので、今回の『SEL18200LE 』も大いに期待してしまうレンズです。
トーンや色再現は美しいもの。コントラストの低いのはガラス越し故ですが、夏の強い日差しにしては良好な描写と言えるでしょう。前モデルと比べてスペック上では最大撮影倍率が『0.35倍』→『0.27』と下がってしまいましたが、実用ではここまで寄れるので問題とはならないでしょう。テーブルフォトにも、コーヒーカップがここまで大きく写る最短距離です。
実に清々しく、気持ちのよい描写です。望遠端ですが35mm判換算で300mmともなると前後のボケも大きくなります。ボケ味もこの高倍率にして非常に優秀でしょう!葉が密集しているシチュエーションでも、この焦点距離であればピントの薄さを生かして被写体を強調する事が可能ですね。日差しを浴びて育つ木々の瑞々しさまで伝わってくる様に思います。
ど真ん中に太陽、というレンズにとって嫌がらせとも思えるカットですが、絞っているとはいえ全域にわたって描写は優秀です。極僅かにフレアが生じていますが、この程度であれば逆光耐性は強いと言って良いでしょう。
暗いシチュエーションですが、葉脈の立体感、僅かに当たる木漏れ日、ご覧頂けますでしょうか。マクロレンズ的に寄った写真までこなす事が可能です。
夏場は日差しも強く、気温も高いですから…重い機材は遠慮したいのも事実。これだけの撮影倍率があり、汎用性のあるレンズなら外出にも気軽に持ち出せます。荷物が軽ければ、撮影をより楽しんで行う事が出来るでしょう!NEXシリーズのコンパクトさを生かせるこのサイジングは、多いに歓迎したいと思います。
先代と比べて全長はほぼ同じながら、鏡筒の太さは2回り小さくなった印象です。それに伴い重量も軽く、より使いやすいレンズに仕上がっています。レンズの作りの良さは先代同様で、金属鏡筒のシンプルながら高品位なデザインは大変良いもの。フォーカスロック機構も装備されていますが、ズーミングにしっかりとした手応えが有るので自重落下等はしない様に思えます。先代の『SEL18200』をしっかり煮詰めてブラッシュアップされた本レンズ、NEXユーザーの方にはぜひお勧めしたい1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff