Nikon 1シリーズの最新機種「J2」がいよいよ発売となった。J1からの変更は、モードダイヤルに「クリエイティブモード」が追加されたことと、液晶モニターの解像度がV1と同じ92万ドットに、さらにロックボタンが付いたズームレンズのロック機構に連動した本体電源のオン/オフが可能となった点だ。総じて使いやすさを重点に機能をブラッシュアップさせた格好となっている。
新設されたクリエイティブモードは、旧モデルでいうところのP/A/S/Mモードに各種撮影設定が加わった形となっている。以前の静止画モードは「おまかせオートモード」として機能するようになり、一般的なデジタルカメラと同様に「緑のカメラモード」にすれば誰でもフルオートで綺麗に撮影できるモードとしてわかりやすくなった。これは、初心者にとって一番わかりやすい進化だと思うのだ。
クリエイティブモードには、夜景/夜景ポートレート/逆光/かんたんパノラマ/ソフト/ミニチュア効果/セレクトカラーが用意されており、シーンに合わせて撮影モードを選んだりアーティスティックな写真撮影を楽しめるようになっている。ミニチュア効果はミニチュア風に撮影するのではなく、変わったピントの写真が撮れるというような応用的な使い方もされているので、J2になって楽しみが一つ増えたのではないだろうか。
逆光モードは、HDRのオン/オフ切り替えで画像合成による逆光補正もしくはフラッシュ発光による逆光補正が選べるようになっている。自然な仕上がりとなるHDRは、風景撮影時の輝度差が大きいシーンですぐに呼び出して使えるので重宝する。さらにかんたんパノラマが追加になったことにより、記録用に全景を押さえる使い方ができるため旅のフォトインデックス作りに大変役立つ。
Nikon 1シリーズの1インチセンサーは、APS-Cデジカメやフォーサーズよりサイズは小さいものの、絵作りという点ではコンパクトデジカメではなくデジタル一眼に近い自然な階調がある点が良い。特に、草原や砂浜など細かい模様が多いシーンでもノイズリダクションでつぶされることなく一つ一つが描写されるため、色が均一化せずにきちんと遠近感を出している。この点がコンパクトデジカメよりも画質で優れている点であり、センサーサイズが小さいことでレンズを小型化することができるため、一眼レフカメラや他社製ミラーレスカメラよりもシステム自体がコンパクトにできると言うメリットも生んでいる。
Nikon 1 J2の像面位相差によるAFは瞬時にピントがあうだけではなく動体にも強く、さらにデジタル一眼レフカメラなみの撮影バッファによりストレス無く撮影できるので、カメラ初心者だけではなくデジタル一眼レフカメラのサブ機としても十分過ぎるほどの使い勝手の良さを感じる。そして、これだけの高性能ながらデジタル一眼レフのような仰々しさがないコンパクトなサイズで、シンプルなスタイリッシュなデザインとなっているため、どこでも気軽に持ち出して撮影できる点がJ2のおすすめポイントである。
クリエイティブモードの追加により、撮影の楽しさが加わりますます使う出番が多くなる予感がする一台だ。
Photo by MAP CAMERA Staff