Panasonicから驚くほど小型なミラーレス機が発売された。『Panasonic LUMIX GM1』はシリーズ最高の高画質と謳われる『LUMIX GX7』からその描写力と基本機能を継承し、更に超小型化に成功した製品。単なるモディファイ・モデルと思いきや、実際に手にするとそのあまりのコンパクトさに衝撃を受けるだろう。男性であれば掛け値無しの手のひらサイズ、よくここまでコンパクトに収まったものだと驚くが、それでいて一切玩具らしさが無い。総マグネシウム金属外装の剛性感と、アルミ削り出しの操作ダイヤルは高級感があり、ぎゅっと詰まった凝縮感が撮影意欲を盛り上げてくれる。驚きの一眼の登場だ。
テーブルフォトでもこのサイズであれば、周りを気にせず撮影する事が出来る。TPOを選ばず、場の雰囲気に馴染んで撮影出来るのはこのカメラの1つの魅力であるだろう。
また、同梱で発売の『LUMIX G Vario 12-32mm/f3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.』も同梱発売だけあってそのマッチングはとても良い。AFはインナーフォーカス搭載で全長が変わらず、ズーミングのトルクもスムーズで心地よい。もちろん、手振れ補正も内蔵だ。ローレットの刻みや仕上げも高級感が有り、質感から描写に至るまで、その完成度にとても考慮されたレンズだという事が分かる。フォーカスリングは搭載していないが、ボディをMFモードにすればピント調節も可能だ。
手にしているとコンパクトデジタル機を持っている様に錯覚するが、画面でその描写を見た時に改めて驚く。艶やかな質感描写、色合いまで、まさに『小さくて・良く写る』マイクロフォーサーズの原点に立ち返る様な1台だ。
こういった画を見ると、このボディが一眼だという事がよくわかる。暗部に至るディティールに余裕すら感じさせるこの安定感が、『LUMIX GM1』の大きな魅力だ。
高感度耐性も上等、ISO2000でもこのノイズ感の無さなのだから驚く。
色合いが美しく、存在感がしっかりと伝わってくる。高感度だと言う事は、EXIFを見て初めて気がつくのではないだろうか。
改めて見て頂きたい、このサイズ、この質感である。ミラーレス機とは思えない様なこのサイズで、あの描写なのだからその苦労は推して知るべしだが、それでいて”小さくて使い難い”という事が無かったのもお伝えしたい。背面の操作系もシンプルで、分かりやすい作りである事がポイントだろう。背面液晶も大型の3型104万ドットのタッチ液晶で、実際に使う上で必要な部分はしっかり大きくしてあるなどユーザーに配慮した心配りが嬉しい。
スマートフォンと比べてもこのサイズだ。良い描写で持ち運びに便利なのであれば、こんなに歓迎したい事も無いだろう。ミラーレス機にも様々なメーカーが参入し、その目指すところでボディにも様々なバリエーションが増えている。その中で『小さくて・良く写る』という事を実直にとことんまで突き詰めた『LUMIX GM1』は、マイクロフォーサーズという規格の中で1つの完成とすら言えるのではないだろうか。
Photo by MAP CAMERA Staff