高い機動性と高画質を両立した人気のニコンDXフォーマットの上位モデル「D7100」が待望のモデルチェンジを果たしました。
新たに生まれ変わった『Nikon D7200』は、D7100の使いやすさをそのままに、最新フルサイズ機で使用されている画像処理エンジンとAFモジュールを採用してきたパワーアップモデル。さらにWi-Fi機能などのトレンドも取り入れた意欲機です。
昨年末モデルチェンジを果たしたライバル機との実力差も気になる所。さっそく撮影に出掛けてきました。
まずは、飛躍的に向上したというAFシステムを体感すべく夜間での撮影から。
高精細な液晶ファインダーのミラーレス機の様に内部で明るさを足すことの出来ない光学ファインダーでは、夜間での撮影は不利とされていますが、D7100譲りの明るい光学ファインダーと視認性の高いファインダー内表示が、昼夜関係なくスムーズな撮影をサポートしてくれます。
迷い無くスムーズに合焦するオートフォーカスは気持ちいいの一言。 外壁に付けられた照明の明かりと、室内のカーテン越しに伝わるスタンドの明かりの微妙な差をしっかり捉えています。
撮影の日は生憎の雨模様でしたが、雨に塗れ少し艶やかさを増した枝垂れ梅の質感をしっかり描写しています。
画像処理エンジンのバージョンアップでホワイトバランスの精度が向上したことにより、より透明感の高い描写になったように感じます。
D7100と比べ約3倍に増やされた内蔵バッファーメモリーが、約6コマ/秒の高速連写をしっかりサポートしてくれます。
以前はメモリーカードへの書き込み待ちですぐに止まってしまったRaw撮影での連続撮影も改善されており、余裕を持ってシャッターが切れる様になりました。
視野率100%のファインダーのおかげで精度の高いフレーミングが容易であることに加え、ファインダーの端までカバーするAFフレームの配置も相まって、鉄道やスポーツなどの撮影での動体補足性能の高さがAPS-Cサイズ機であるD7200の利点と言えます。
フルサイズ機より一回り小さい携帯性の良さ、焦点距離が2倍相当になる1.3×クロップ機能を使用すれば高速連写時の秒間が約7コマにアップするなど、望遠撮影に強いAPS-C機としての特徴をさらに活かせる機能も備え、装備の軽量化と高い撮影性能の両立を実現しています。
D810譲りのミラーバウンサーも搭載。ミラーショックの少ない静かなシャッターは、スローシャッターでも抜群の安定感です。
その静かな作動音から夜の静けさをも一緒に切り撮っている感覚になります。
細部まで切り撮るローパスフィルターレスの2416万画素の実力はD7100で実証済み。
遠景の夜空までしっかり捉えています。スポットライトが発するグラデーションも綺麗です。
高感度撮影でもノイズ感の少ないクリアーな映像です。フルサイズ機と遜色のないレベルの高感度耐性は、水溜りに反射する東京駅舎を驚くほどクリアーに切り撮りました。
今回はスーパーズームキットとしてリリースされた「AF-S DX 18-300mm F3.5-6.3G ED VR」との組み合わせで撮影を行いました。
同じニッコールレンズ群の中には、同焦点距離で望遠端開放F値がもう少し明るい「AF-S DX 18-300mm F3.5-6.3G ED VR」があり、夜景撮影ならばこちらの方が良かったのかと一瞬頭を過りましたが、スムーズなピント合焦にその心配は露と消えました。飛躍的に向上した暗所でのAF性能のおかげで、よりコンパクトなレンズが使える様になった恩恵は大きく感じます。
レンズの軽量さに加え、約4段分の手ブレ補正は、とても使いやすい組み合です。
雨に濡れたイルミネーションが独特ながら大きな綺麗なボケを見せてくれました。
手前の木の葉の艶やかな質感からは光量に左右されず、常に安定した質感描写する実力の高さが伺えます。
ライトアップされた東京タワーの光のグラデーションも綺麗です。広角端での撮影でも歪みのない気持ちのよい描写からも、カメラとレンズの相性の良さが伝わります。
最後の1カットは「AF-S Micro 60mm F2.8G ED」で雨に濡れる河津さくら撮影。暗い雲を消す為に少しオーバー目で撮影しましたが、柔らかさの中にもしっとりとした質感描写が残ります。
派手さはないものの、自然な色再現で質感を忠実に伝えるニコンらしい色使いが堪能できました。
生憎の天気でしたが、D810と同等の防塵・防滴性能を有しているので、不自由なく撮影できました。
フルサイズフラッグシップ機と同等の機能を多数受け継いだだけではなく、Wi-Fi機能を搭載するなど便利な機能が凝縮されたハイスペックなカメラに仕上がっています。
D7100の後継機と呼ぶにはもったいない、APS-Cセンサー搭載の新しい上位モデルをぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff
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