キヤノンからAPS-Cサイズのデジタル一眼カメラ『Canon EOS 80D』が発売されました。2013年8月に発馬された人気の「EOS 70D」の後継機になります。
エントリー機のKissシリーズと、APS-C機のフラッグシップ「EOS 7D MarkII」のいいとこ取りをしたミドルクラスのボディは、携帯性と性能のバランスのとれたとても使いやすモデルです。日に日に暖かくなるお出掛けシーズンの今の時期には、まさに最適な1台と言えるでしょう。
キットレンズの「EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM」を装着して都内を散策。
小さめのカメラバッグにも収まる上、肉厚のグリップは手に持ってもしっかりホールドできるのでとても持ちやすい印象です。
池のほとりに滝を発見。水の流れを演出すべくスローシャッターにセットします。手ブレをさけるため地面に置いての撮影になりました。
こんな時は「EOS 70D」譲りのバリアングル液晶が便利。電子水準器で傾きの補正もスムーズです。
水の帯が綺麗に撮れました。薄く霧のかかったウエットな質感もしっかり再現されており、まるでマイナスイオンが見えるかのようです。
「EOS 70D」からの進化機能にAF機能の強化が挙げられます。オールクロス45点AFが動体も素早く捉えてくれます。
19点から45点に一気に増えたAFポイントは慣れるまで選択に戸惑いそうですが、そんな時は構図に併せて選べるエリア選択モードが便利です。
今回は縦に3分割のラージゾーンAFを選択。あらかじめ線路の位置にゾーンを指定しておけば電車を自動で認識し、動きに併せて追従してくれます。
また連続撮影枚数が「RAW+JPEGラージ」時で倍以上に増えたことも見逃せません。おかげで余裕を持ってシャッターが切れるようになりました。
とても安定したAFの動きはさすがの一言。視野率100%の明るく見やすいファインダーも動体撮影には心強い限りです。
風に揺れる枝垂桜も瞬時に合焦。早くて正確なAFを改めて実感しました。
歴史ある洋館のステンドグラスも綺麗に捉えてくれました。
生憎の空模様でガラス越しの光量が少なかったものの、階段手すりの凹凸までしっかり捉える高い解像力です。
白壁に載るグラデーションも綺麗に再現してくれました。
レースカーテンの白色も上品に捉えることができました。薄い質感の中にも立体感があり「EOS 70D」の2020万画素から進化した2420万画素の解像力を改めて実感できます。
雨に濡れ静かな庭園の中でひときわ目立っていた色鮮やかなツツジ。写真で切り撮ってもその迫力は健在。臨場感の強さに驚きます。
小雨が残る中でも防塵・防滴構造で安心です。
色のトーンも豊富で色数が少ない被写体でもディテールが綺麗に表現されました。
改良されたシャッターユニットはシャッター音が抑えられ、振動も軽減されています。
橋の上から不安定な体勢での撮影でしたが、ブレ無く綺麗に撮れました。静かな作動音のおかげで水のせせらぎをも捉えている感じにさせられます。
ガラス戸越しのグラスは反射光もあり難しいシチュエーションでしたがピント合わせはスムーズ。薄いグラスの立体感もしっかり再現されています。
ISO5000でもノイズ感は少なく、映像エンジンDIGC6にの高感度耐性も確認できました。「EOS 70D」と比べ、常用ISO感度域の上限が12800から16000に増えたあたりにも、新映像エンジン搭載のメリットを感じることができます。
今回使用したキットレンズ「EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM」の手振れ補正機能も優秀です。高感度との併用であらゆるシーンでの撮影を可能にしてくれることでしょう。
室内の電灯下での撮影では、露出のバラツキを抑えるフリッカーレス機能が働きます。ライビュビュー時などはチラツキが抑えられとても便利です。
明るさ、色合い、コントラストなどをバランス良く捉える新EOSシーン解析システム搭載で、淡いトーンでまとめた被写体も綺麗な色再現で上品に捉えてくれました。
携帯性の良さと高性能がバランス良く搭載された「EOS 80D」は最初の印象通り、本当に使いやすいカメラでした。他にもWi-Fi機能やNFC機能など、周辺機器のとの連携にも優れています。
まさに撮り手を選ばない万能さがあり、性能に拘りたいお父さんから、軽いカメラが嬉しいお母さんまで、家族みんなで楽しめる1台です。
撮影モードダイヤルに撮影メニューを記憶させる「カスタム撮影モード」が2個配置されたのも、このような配慮からなのかもしれません。他にもクリエイティブフィルターモードが簡単に呼び出せるなど、より充実の機能が気軽に使えるようになりました。
プロ機からエントリー機まで様々なモデルをキヤノンの中で、層の厚いハイアマチュアモデルの最新機は、その人気を裏付ける確かな機能と使いやすさがありました。
Photo by MAP CAMERA Staff