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349:『SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM』

2016年04月22日

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:100mm/ 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM

『A 18-35mm F1.8 DC HSM』『A 24-35mm F2 DG HSM』とF2.8を超える明るさのズームレンズを発売しているシグマから新たに驚くべきレンズが登場しました。今回のKasyapaは『SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM』をご紹介します。まず本レンズはAPS-Cセンサー専用設計になっているDCレンズで、焦点距離は換算75-150mm (Canonは換算80-160mm)。ズームレンズながら開放F1.8という明るさを持っているのが特徴です。これは85mm,105mm,135mmという代表的な単焦点レンズの距離を全てカバーしていることになり、「3本分のレンズをこの1本で」というのが狙いとのこと。この手のレンズに求められる画質とボケ味は果たしてどうなのか、気になる描写を確かめるべく試写へ向かいました。

まずは1枚目の写真から。試写で訪れたお寺には早くもイトトンボが飛んでいました。フキの葉に止まったところを少し絞ってF2.8に、焦点距離は本レンズの最望遠である100mmで最短撮影しました。画像を拡大していただくとお分かりになると思いますが、フォーカス部は目を見張るほどの解像力と立体感。背景ボケも深く滑らか、水面に反射した光線ボケも9枚の円形絞りを採用していることでほぼ角のない綺麗な円の形をしているのがわかります。一枚目からとてもAPS-Cのズームレンズで撮影したとは思えない驚異的な描写力を見せてくれました。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:52mm/ 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

本レンズのワイド端近くで遠くの被写体を狙った時でもそのボケ味は健在です。手前にある木の葉はふわりと描写し、フォーカスを合わせた奥の門はF2.8で撮影したとは思えないほどの解像力です。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:50mm/ 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/160秒 / ISO:400/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

歴史あるお寺の門の梁をF5.6で撮影。まるでCGのような解像感ですが、実はRAW現像でシャドウを持ち上げるなどの作り込みはしていない撮って出しに近い状態の写真です。これは撮影後にPCで確認して驚きましたね。ポートレートで多用する中望遠レンズということでシャドウの階調域が広く緩やかに味付けされている印象を持ちました。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:88mm/ 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/200秒 / ISO:400/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

艶やかな床板に反射する美しい光を捉えた一枚。コントラストが求められるシーンではしっかりと締まった黒を表現してくれます。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:50mm/ 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

絞り開放でもみじの若葉をハイキー気味で撮影。F1.8ながら葉の形がしっかりと分かる描写です。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:72mm/ 絞り:F4.0/ シャッタースピード:1/50秒 / ISO:400/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM

中望遠域の単焦点レンズは使うのが難しい、というイメージを持たれている方もいらっしゃるかと思います。その理由は想像していた画角より実際はもっと狭いという感覚のズレであったり、もう少し寄りたいと思っても、その一歩が寄れなかったり。中望遠単焦点レンズだとどうにもその融通が効かず、思い通りの写真が撮れないが状況があったりします。そのためもっと撮影の幅が広い望遠ズームを選ぶ方も多いと思いますが、やはりこの焦点域のF2.8より明るいレンズ描写は独特なんですよね。どう頑張っても同じ表現ができないんです。

そんな今までの思いを『SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM』の登場により見事に解決してくれました。単焦点レベルの高い描写性を持ちつつ、被写体や撮影状況によって臨機応変に対応できるズーム域はものすごく便利。引ける・寄れる事でとても使いやすい中望遠レンズになっています。重さが約1.5Kgとなかなかの重量級レンズではありますが、F1.8の中望遠レンズを3本持ち運ぶことを考えればメリットは非常に大きいですね。さらにレンジファインダーレンズの焦点距離で多くある換算75mmと90mmの焦点域もカバーしていますから、私の感覚だと5本分の単焦点レンズが1本になったという感じがあります。

APS-C用だと思って侮るなかれ。本レンズの描写力は本物で、他にはない圧倒的な利便性を兼ね備えた「中望遠域・最強レンズ」とも呼べる1本です。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:100mm/ 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

扉に彫られた龍を絞り開放で撮影しました。フォーカス部の解像力は非常に高く、木の手触りが見ているだけで伝わるほどです。前ボケ・後ボケも深く滑らかな印象を受けます。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:50mm/ 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/160秒 / ISO:200/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

苔むした石段を少し離れた距離から開放で撮影。フォーカスを合わせたところだけが写真の中で浮き立つように感じられますね。月日の流れを感じる一枚です。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:100mm/ 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

白く美しい花が咲いていました。本レンズの最短撮影距離はズーム全域で95cmですので、単焦点85mmレンズなどで感じる「あと1歩寄りたい」と思った時にズームを少し伸ばせば、被写体を大きく撮ることが可能です。この写真の場合は解像力というよりボケ味ですね。濃密で滑らかなボケ味が花の美しさをより際立たせています。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:59mm/ 絞り:F4/ シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

古い階段とワーゲン・タイプIIが妙にマッチしていました。階調豊かに表現してくれるレンズですのでモノクロームにした時のシャドウのトーンも素晴らしくいいですね。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:50mm/ 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

椅子の木の足の硬い質感、ふっくらとしたベロア地と刺繍、床板の木目と細かな傷など、細かなディティールまで分かる開放描写は見事です。 『SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM』は非常に性能の高いズームレンズだと感じました。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM 焦点距離:50mm/ 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 80D + SIGMA A 50-100mm F1.8 DC HSM

ガラステーブルに置いたグラス。驚くことにこのカットもほとんどRAW現像をしていないんです。本当このレンズはいい描写しますね。解像感・ボケ味・階調のバランスが絶妙な1本です。

SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM

『SIGMA (シグマ) A 50-100mm F1.8 DC HSM』は素晴らしい描写力を持ったレンズでした。高い解像力を持ちながらも印象は硬くなく、質感や立体表現が際立っていて、階調も豊か。単焦点レンズ並みの描写性能を持ちながらズームレンズとしての利便性を兼ね備えており、センサーフォーマットの枠を超えて「理想の中望遠レンズ」と言えると思います。多くのレンズを試写をしていると「これは!」と思える自分好みのレンズが稀にあるのですが、本レンズもまさしくその1本でした。残念ながら不満点は見つかりませんでしたね、「ずっと手に持っていると重い」くらいです。(笑)

独自の商品路線を行くシグマですがその技術の高さを改めて感じることができました。「開放がシャープ」などという言葉だけでは片付けられない奥深い描写を持ったレンズです。次回はぜひ『SIGMA sd Quattro』で試してみたいですね。中望遠を多く使う方、中望遠の写真が好きな方に胸を張ってオススメできる1本でした。

Photo by MAP CAMERA Staff

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