392:『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO』
2016年12月08日
『M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro』、『M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO』、『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO』と話題のレンズ3本がつい先日オリンパスから発売されましたが、今回のKasyapaではその中の1本である『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO』をご紹介いたします。
F1.2…と目にすると大きくて重たいレンズを皆さん想像するかと思いますが、このレンズは想像よりずっとコンパクト。更には35mm判換算で50mm相当と、明るくて使いやすい大口径単焦点レンズとなっています。
冒頭の写真をご覧いただくとわかるように、追及されたボケ味はまさに「美しい」の一言で、手前から奥にかけてのなだらかなボケの層には思わずうっとり。
強い光を放っているので通常だったらフレアやゴーストの影響を受けてもおかしくなさそうな状況ですが、開放で撮影をしているのにも関わらず、ご覧の通り目立った影響は見られません。
また、電球中央のフィラメント部分が、うっすらとではありますが白トビせずに残っていたのには驚きでした。
今回使用したボディは2016年12月22日発売予定の『OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II』。
こちらはまだ発売前の新製品なのですが、タッチシャッターの精度が非常に高く、F1.2の薄いピント面でも難なくピントを合わせてくれるので使っていてとても頼もしかったです。
精度の高いタッチシャッター+強力な手ブレ補正のおかげで、ストレスなく開放での撮影を楽しむことが出来ました。
つい先日、都内で初雪が観測されました。11月に都内で雪が降るのは54年ぶりとのこと。去年の冬は暖冬だったのでそれほど厳しい寒さではありませんでしたが、今年の冬は寒くなりそうですね…。
通勤・通学の際に雪が降ると困ってしまいますが、休みの日に雪が降るのは大歓迎です!いつもとは違って雪化粧をした街中を撮るチャンスですから。
本レンズは11箇所に密封シーリングが施された防塵・防滴設計なので、雨の日はもちろんのこと雪の日でも安心して撮影を行うことが出来ます。-10℃までの耐低温性能もあるので、雪撮影が捗りますね!
AF駆動音がとても静かなので、こういった室内での撮影でも大いに活躍してくれます。
こちらの写真は開放で撮影をした友人の後姿なのですが、1枚撮影をしただけで「このレンズは間違いなくポートレートでも活躍するぞ」と確信せざるを得ませんでした。立体感が素晴らしく、被写体をしっかりと浮き立たせてくれます。髪の毛やファーの部分の細かな描写も、さすがPROレンズですね。ちなみにこのレンズの最短撮影距離は30cm。ワーキングディスタンスは19.5cmなので、かなりの近接撮影が可能です。
本レンズはAFの精度が高いので今回MFを使う機会はありませんでしたが、例えば最短撮影距離+開放で綿密なピント合わせを行う場合、わざわざ画面でAF/MFの切り替えを行う必要はありません。「マニュアルフォーカスクラッチ機構」が搭載されているため、ピントリングをカメラ側に引っ張るだけでAF→MFに切り替えることが出来るのです。(設定をすれば自動でピント拡大も可能です!)
なんだか食べ物の写真ばかりですみません…。素敵な店内だったので会計待ちの間に少しだけ撮影をしました。バリアングル液晶+タッチシャッターのおかげでローアングル撮影も楽々行えます。
それにしてもオリンパスは本当に撮って出しの色が綺麗ですね。こういった日常のスナップ写真だったら、まずRAW現像の必要はないと感じてしまうほどです。
さて、ここからは別日に撮影をした晴れの日の写真をご紹介いたします。向かった先は鎌倉。12月初旬の鎌倉はとても綺麗に紅葉していて、私以外にもたくさんの人がカメラを構えて思い思いに撮影を楽しんでいました。
開放F1.2での撮影時はしっかりとピントが合っていながらも優しい描写が魅力でしたが、少し絞るだけでご覧のとおりキリッとシャープな描写に。
この日の鎌倉の海は遠浅で、まるで大きな鏡のようでした。拡大をしてみると、西日に照らされた砂浜がきらきらと美しく光り輝いているのがよくわかります。
海を見ながらぶらぶらと撮影をしていたのですが、ふと足元を見ると可愛い光景が。砂浜をお散歩をしていたのでしょうか…。あまりの可愛さに思わずシャッターを切ってしまいましたが、灯台下暗しとはまさにこのこと。魅力的な被写体は意外と近くに転がっているのかもしれません。
帰りがけに酉の市に寄った際の1枚です。ここはぐっと絞って高感度で!まっすぐきれいに伸びた光芒が美しいですね。
実はこれISO5000で撮影をしているのですが、とてもそんな高感度で撮ったとは思えません…。これぞ本体の高感度耐性とレンズの圧倒的描写力のなせる業。
『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO』いかがでしたでしょうか。
開放での高い解像感を実現するため、19枚のレンズを贅沢に使用したこのレンズの実力は伊達ではありません。2016年12月6日現在、オリンパスPROレンズの中でここまで枚数を使用したレンズは『M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO』の1本だけ。しかも19枚のうち8枚が特殊レンズというのですから、オリンパスのこのレンズにかける思いが伺えます。
スナップ、風景、ポートレートと様々な楽しみ方の出来る汎用性の高いレンズであると共に、プロユースにも耐えうる堅牢な作りも頼もしい限りです。
「F1.4」のレンズは数あれど、「F1.2」のレンズはなかなかありません。暗い所で活躍してくれる明るいレンズであるということはもちろん、大きく美しいボケ味を楽しむことが出来るのも「F1.2」の魅力のうちの1つ。ぜひお手に取って試していただきたい1本です。「F1.2」の世界の美しさに魅了されること間違いありません。
Photo by MAP CAMERA Staff