SIGMA Art 24mm F1.4 DG HSM
ニコンマウントで撮るシグマArtレンズシリーズ、第3弾は『SIGMA Art 24mm F1.4 DG HSM』をご紹介いたします。
本レンズはフルサイズ用Artレンズシリーズの中でも最軽量を誇ります。気になる重量は『Art 35mm F1.4 DG HSM』と同じ665g。筆者は普段『Art 50mm F1.4 DG HSM』を使用していることもあってか、本レンズを持った瞬間に思わず「軽っ!」と口に出してしまいました。
重量だけでなく、レンズ自体の大きさもArtレンズシリーズの中では比較的コンパクトなので、今回仕様したボディ『Nikon D750』とのバランスも非常に良かったです。
冒頭の写真は、パースを意識して撮影した1枚です。広角レンズらしい勢いのある写真が撮れました。すっきりとした落ち着いた色合いにシグマらしさを感じます。
天井から吊るされている大きな地球儀は、実は小さな四角いパネルの集合体。拡大をして見てみると、カーブの部分がどのように構成されているのかがよく分かります。
周辺の光量落ちはほとんど気にならないレベルです。天井の随所に配置されている強いスポットライトの光によってフレアやゴーストが起こることもありません。
描写性能の高さはさすがArtレンズといったところでしょうか。
Artレンズを使う理由は、このボケ味にあると言っても過言ではないでしょう。
折り重なるボケの美しさと、シャープなピント面。この2つを両立しているところが、シグマのレンズの最大の魅力であるように思います。
カメラをしっかりと手すりに固定して、俯瞰での撮影。細かい床の質感まで余すことなく鮮明に描写しています。
夏を思わせるはっきりとした濃い影が良いアクセントになってくれました。
今度はぐっと寄って、近接+開放で。最短撮影距離は25cmと、かなり近くまで寄ることが可能です。
それにしてもこのボケ具合、とても広角レンズで撮影したものとは思えませんね…。まるで中望遠レンズで撮影したかのようなとろけ方です。
夏もそろそろ終わりに近づいてきましたが、まだまだ暑さは引きません。この日も例に漏れず30℃超えの真夏日だったので、このあたりで小休憩。
落ち着いた雰囲気の店内を印象的に切り取ることが出来ました。
シフォンケーキに添えられた、バラの形のアイスクリーム。こんなに可愛いアイスクリーム、食べるのがもったいない…と思いつつも、この後しっかりと美味しくいただきました。
先ほどの店内をとらえた1枚のようにテーブル全体を写すことはもちろん、このように最短撮影距離の短さを生かした撮影もこなすことが出来るのが嬉しいですね。
お次は、都内某所の美術館へと足を運びました。ガラスで覆われた館内をモノクロで。整然と並べられたテーブルが、モノクロで撮影することによって助長されていた無機質さをさらに際立たせます。
エレベーターを囲んでいるガラスに写って、シンメトリーになっているところを撮影。奥から差し込む柔らかな光、そしてそれによってできた影が画に透明感をもたらしてくれました。
夢中になって撮影をしているうちに、すっかり日が暮れてしまいました。
撮影をしている間は気になりませんでしたが、Exifを見返してみてびっくり。ISO5000で撮影したとは思えない鮮明な写りです。D750の高感度耐性の素晴らしさとArtレンズの描写性能の高さが伺える1枚となりました。
『SIGMA Art 24mm F1.4 DG HSM』キヤノンマウントのフォトプレビューを掲載してから、早いもので2年半が経ちました。
今回はニコンマウントでのフォトプレビューということで『D750』を用いて撮影を行いましたが、ニコンマウントと言えば…そう、今話題の『D850』の発売が目前に控えています。
「カメラを選ぶのではと思うほどの描写性能」と前回のフォトプレビューでも言っていたように、シグマのArtレンズは高い性能を持ったカメラでこそ使っていただきたい最高の描写性能を持ったレンズです。
『Nikon D850』はもちろん、『Canon 5Ds R』や『SIGMA sd Quattro H』等でもぜひお試しいただきたい1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff